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ネイティブ先生が答える帰国子女教育③|ホリスティック教育って何?第2回(計3回)

日本への帰国を前提とした海外での暮らしの中で、子どもの教育に疑問や悩みを持っている保護者も少なくないようです。そこで、海外に住む保護者からの様々な質問に、帰国子女対象の英語塾「帰国子女アカデミー」の英語ネイティブの先生が答えてくれました。

ホリスティック教育では、どんな授業を行うのか?

さて前回では、「ホリスティック教育」とは「数学の成績」など細かいところだけでなく「子どものトータルな成長に着目する教育」のことを指すとお伝えしました。

では実際に、ホリスティック教育を実践する現場では、どのような授業が行われているのでしょうか? 「歴史」「(第二外国語としての)英語」「数学」の3つの科目別にみていきましょう。

科目別のホリスティック教育法

●歴史

授業の目的は、現在と過去の繋がりをより深く理解させること。年号や人物名を丸暗記させるだけでは意味がありません。

イギリスのとある学校を訪問したときのことです。生徒たちは第二次世界大戦について学ぶ際、戦時下で政府が配給していた食事を自分たちで調理して再現していました。違う授業では、昔アメリカへ移住したヨーロッパの人々が故郷の家族に送った手紙を読んでいました。そして読んだ手紙を元に、当時の移民たちの生活の様子を想像してレポートにするよう指示されていました。

このように、ホリスティック教育の歴史では、ただ教科書の内容を暗記するのではなく、本物の遺物を参考に歴史上の人物になりきり、自ら論理的な推定をする必要があります。対話力、協調性、創造力もなくてはいけません。

●(第二言語としての)英語

効果的な活動を通じて「読む・聞く・書く・話す・文法」力を習得していきます。子どもは英語圏で一年間ほど暮らすと、大体は英語を問題なく習得しますが、日本で勉強するとなると何年経ってもほぼ覚えません。

そのため、ホリスティック教育の英語では、英語圏の学校の雰囲気を再現。英語でのディベート、スピーチ、ロールプレイング、ペンパルとの手紙やメール交換など英語力の習得に効果的な活動を行います。

従来の日本の公立学校の英語の授業では、英語はほとんど使われません。先生は授業の大半を複雑で理解しがたい表現の違いについての説明に費やし、生徒が黒板に間違った答えを書こうものなら単なるクラスの恥さらし扱いになります。

このような環境では、子どもは自分に自信を失い、英語に恐怖心を抱き、勉強する喜びや必要性すら感じなくなります。ホリスティック教育は子どもに自信を持たせることを優先します。生徒たちは自らの成功体験から学べるのです。

●算数

算数に関しては、現在多くの初等教育機関がホリスティック教育を導入しています。このような学校では、ただ単に「3× 5は15だ」とは教えません。物の形状やサイズ、自然界について考える良いきっかけとなるよう、ブロック遊びや砂遊びを自由にさせるほか、数字を視覚・感覚的に覚えられるように設計された特別なおもちゃで遊ばせます。おもちゃは一見大きなレゴブロックのようですが、指を通せば砂や土を型取れるように穴がいくつか空いています。穴の空いたおもちゃを組み合わせて遊ぶことで子ども自ら算数にまつわる発見をしていくのです。

お話を伺った方

帰国子女アカデミー

チャールズ ・エム・ カヌーセン Charles M. Knudsen氏

帰国生向け英語塾『帰国子女アカデミー』校長
同塾創設者。国内有数の中高一貫校で英語アドバンストプログラムを立ち上げるなど、日本での帰国生教育は15年に渡る。英語学習テキスト『Stranger than Fiction』(南雲堂)などテキストや小説の執筆も。

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