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ネイティブ先生が答える帰国子女教育⑤|現地校の宿題、保護者はどんな手助けができる?

日本への帰国を前提とした海外での暮らしの中で、帰国後の子どもの教育に疑問や悩みを持っている保護者も少なくないようです。そこで、海外に住む保護者からの様々な質問に、帰国子女対象の英語塾「帰国子女アカデミー」の英語ネイティブの先生が答えてくれました。

Q. イギリスの現地校に通う小学生の保護者です。子どもが学校の宿題に四苦八苦しています。保護者として何かしてあげられることはありますか? 自分自身は英語が苦手です。

A. 大丈夫です。英語が苦手でも、保護者がしてあげられることは沢山あります。

宿題にかける時間を決め、自分のペースをつかませる

親がしてあげられることでお子さんにとって最も役立つことは、「自習時間の使い方を整理してあげること」でしょう。お子さんのケースでは、各宿題にかける時間を決めさせるのがオススメです。

宿題を始める前に、まずはお子さんと椅子に座り、その日の勉強プランを作成させるのです。たとえば、お子さんは午後に、数学のワークシートと美術の宿題、語彙のテストのための勉強、小説を2小節読まなければいけないとします。お子さんの場合は、精神的にきつい数学と語彙のテスト勉強を先にやるかもしれません。そして夕食などの休憩の後、美術の課題や読書に挑むことでしょう。もしくは、塾の勉強で疲れてしまい、まずはリラックスできる読書から始め、数学の宿題は最後にするかもしれませんね。

いずれにせよ、こうしたスケジューリングを一緒に数日間続けるうちに、お子さんは自分にとってどういうスケジューリングがベストなのかを知ることができはずです。そして、少しの助けと励ましだけで、彼自身でできるようになるでしょう。

勉強かばんの整理など環境を整えさせる

親ができるもう1つのことは、お子さんが勉強かばんやフォルダの中身を常に整頓できるよう手助けしてあげることです。

子どもたちの多くは、いつまでもすべての宿題を持ち続け、すぐにかばんの中をぐちゃぐちゃにしてしまいます。こうなってしまったら、宿題や本がすぐに見つけられないばかりか、かばんは不必要に重くなってしまいます。そうならないためにも、お子さんと一緒にかばんの中のすべての物に目を通し、「捨てるべきもの」と「そうでないもの」に分類しましょう。その際、「どちらか分からないもの」を入れる箱も作っておき、必要になったときにそこから持っていけるようにもしておきます。

この分類を一緒にする時、特に最初の頃はどうか怒らないであげてください。学校では整理整頓の方法をあまり教えていないので、多くの子どもたちは整頓の仕方を知らないだけなのです。

まだある。親が子どもにしてあげられること

お子さんが塾で使っている英語を親御さんがあまり使えなくても、お子さんにしてあげられることはまだまだあります。フラッシュカードの作成を手伝ってあげたり、「鉛筆がちゃんと削れているか」といった勉強に必要な道具を整えてあげることです。また、お子さんが宿題を達成するたびに褒め続け、励まし続けることも、学力を上げるために有益でしょう。

そして、何より大切なことがあります。それは、お子さんに寄り添い、「あなたは1人じゃないよ。私たちがついているよ」と、しっかりと伝えることです。

お話を伺った方

チャールズ ・エム・ カヌーセン Charles M. Knudsen氏 帰国生向け英語塾「帰国子女アカデミー」校長

同塾創設者。国内有数の中高一貫校で英語アドバンストプログラムを立ち上げるなど、日本での帰国生教育は15年に渡る。英語学習テキスト『Stranger than Fiction』(南雲堂)などテキストや小説の執筆も。

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