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ネイティブ先生が答える帰国子女教育④|帰国後、こどもの英語力をどう伸ばす? 後編

日本への帰国を前提とした海外での暮らしの中で、帰国後の子どもの教育に疑問や悩みを持っている保護者も少なくないようです。そこで、海外に住む保護者からの様々な質問に、帰国子女対象の英語塾「帰国子女アカデミー」の英語ネイティブの先生が答えてくれました。今回は2回シリーズの後半です(前編はコチラ)。

Q. アメリカ在住4年目。10歳の息子は英語がペラペラです。日本帰国後は、英語の勉強をしなくて大丈夫ですよね? (母親より)

A. いいえ、ペラペラに思えるかもしれませんが、10歳の息子さんの英語力はまだ小学生レベルです。継続して学ばせ、大人の英語力まで引き上げる必要があります。

英語力は小学生レベル。帰国後に伸ばす必要アリ

私が「日本に帰国した子どもたち(帰国生)に英語を教えている」と言うと、多くの方々は驚きます。なぜなら、「帰国生はすでに英語が流ちょうだから、勉強する必要はないだろう」と思っているからです。

ですが、それは違います。例えば人生の大半を海外(英語圏)で過ごしてきた10歳の男の子。彼は国内の一般生よりも英語の読み書きや英会話のレベルが高いでしょう。しかし10歳という年齢では、表現力や理解力の発達に限界があるのです。それは語彙力や文章構成力についても同じです。すべてが10歳レベルで止まっているのです。

帰国後も継続して学ぶことが大切

また、英語は「継続して学ぶこと」が重要です。日本に戻った時に、もし英語力の向上に向けて努力しなければ、彼は10歳レベルの語彙でさえ忘れてしまうでしょう。そして直感的に理解でき完璧に使うことのできた文法の組み立てさえ難しくなってしまうでしょう。

実際こうした小学生の時期に日本に帰って来た帰国生のほとんどは、持っていた英語力の大半をなくしてしまっています。

想像してください。現在小学生であるあなたのお子さんが、30代、40代になった時に英語力の大半をなくしてしまっていたら……。お子さんは自分の英語力の乏しさにどれだけ嘆き悲しむでしょうか。お子さんが成長したとき、大学に入学したとき、就職したときに、ネイティブに近いレベルの英語力を持っていたとしたら――生活がどれだけ充実したものになるでしょうか。

海外での努力を日本で無駄にしないために

帰国後に英語を維持・伸ばすことの重要性について、もう1つお伝えしたいことがあります。

それは子どもにとって「海外生活の中で英語を学ぶことは決して簡単ではなかった」ということです。

子どもは日本の家や友だちと離れ、知らない国へ引っ越し、全くふれたこともない言語を話す新しい学校で生活しなければなりませんでした。そして何カ月もの間、ついていこうと必死に努力しました。日本での授業のように言葉は頭の中に容易に入ってきてはくれませんでした。それはプールの底へ投げこまれ、おぼれないように必死に這い上がり、泳がなければいけない状態に近かったはずです。

私はこれらを成し遂げた子どもたちを大いに尊敬します。だからこそ、こうした努力を無駄にしてはならないと強く思います。そのためにも、帰国後、英語力に対してできるだけ高い目標を設定することが大切なのです。

必死で努力し、直感的でしっかりとした英語の基礎を固めてきたのに、ここで止める必要があるでしょうか? 到達可能であるにも関わらずネイティブレベルの英語力獲得を目標にしない理由があるでしょうか? そうです、あるはずがありません。

生活を豊かにする英語力は日本でもしっかり伸ばせる!

私は小学2年生以前に帰国した帰国生を何千人も教えてきましたが、彼らは早くに帰国したにも関わらず、自らネイティブレベルまで英語力を引き上げ、成長し大人になっても保っています。時々「どうやってそんなことができたの?」と聞かれますが、そんな時、私は「思ったより難しくはありません。ただ今までに比べて、現在はその機会が沢山あるからです」と答えます(下の「小学生期に帰国しても英語力をキープさせるコツ」を参照)。

ネイティブレベルの英語力は、日本でも多くの方々が必死になって求める力です。もしお子さんが、帰国生であるがゆえにその力を得られるところまで来ているのであれば、それを得るために努力をしてみるべきだと思います。

小学生の帰国生、特に低い学年であれば、その英語力はあやふやなものに過ぎません。しかし帰国後、少しずつでもしっかりとしたステップをふんでいくことで、言語の理解をより深めることができるのです。そして、日英バイリンガルとして生活をより充実させていくことができるはずです。

小学生で帰国しても英語力をキープさせるコツ

  • 帰国後すぐに英語の勉強を始めさせる
  • 毎日5分間、声を出して英語の文章を読ませ、その後10分間黙読させる
  • 週に1、2回、ビデオ通話などを介して友だちと話す機会を作ること
  • 英語で好きなテレビ番組を日常的に見ること
  • 家庭教師や塾で週1回の「英語」の授業を受けさせる(週3、4回、30分程度の宿題もさせるのがベスト)
  • 塾はほかに帰国生がいて、英語でたくさん話す機会のある塾を選ぶ
  • 帰国生に対して特別な英語教育のある中学校・高等学校への進学を一緒に検討する
  • 英会話クラブや英語のスピーチコンテスト、The Model United Nations(模擬国連活動)を行う中学校・高等学校への進学を一緒に検討する

 

お話を伺った方

帰国子女アカデミー

チャールズ ・エム・ カヌーセン Charles M. Knudsen氏 帰国生向け英語塾『帰国子女アカデミー』校長

同塾創設者。国内有数の中高一貫校で英語アドバンストプログラムを立ち上げるなど、日本での帰国生教育は15年に渡る。英語学習テキスト『Stranger than Fiction』(南雲堂)などテキストや小説の執筆も。

 

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