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帰国子女の母親座談会|子どもの中学受験、どうでした?(前編)

海外から帰国する際、子どもの学校選択には何かと悩みが生じるもの。そこで、帰国後、私立中学(中高一貫校)に入学したお子さんをもつ3名のママたちが登場。「なぜ私立中学校を選んだのか?」「中学受験前に保護者として心がけたことは?」「子どものやる気をどう促した?」などの直球の質問に、三者三様、じっくり答えて下さいました。

【帰国子女の母親・座談会メンバーの紹介】

Aさん ベトナム・ホーチミンに約3年滞在

長女

日本人学校→タイ・バンコクの会場で帰国生入試受験→私立中に入学。進学した中学校の受験科目は、日本語作文、国語、算数、本人面接(日本語)
Bさん ベトナム・ハノイに約3年滞在

長女

インターナショナルスクール→ 公立小6年に編入→一般入試を受験→私立中に入学。進学した中学校の受験科目は、国語、算数、理科、社会、本人面接(日本語)
Cさん アメリカに約9年滞在

長女

現地校→ 公立小5年に編入→帰国生入試を受験→私立中に入学。進学した中学校の受験項目は、日本語作文、英語、本人面接(英語)、親子面接(日本語)

―私立中学受験を決めた「理由」は何ですか?

Aさん
うちの娘はベトナム・ホーチミンの日本人学校に3年間通ったんですが、当時は全校生徒が80名ぐらいの、こぢんまりとした学校でした。とてものんびりと過ごしたので、「このまま日本の社会に戻って大丈夫だろうか?」と心配したほど。

本人もそれをわかっていたんでしょうね。日本では、「帰国子女が周りにいる環境で生活したい」と言い始めて、次の転居先の埼玉県から通える、帰国子女に理解のある学校を探すことにしたんです。

Bさん
我が家は、私自身が私立中高一貫校の出身で、その環境に満足しているものですから、娘にも「できれば中学受験を考えてほしい」と思っていました。

そうしたところ、「ママは女子校に通っていたの? それっていいかも!」と本人が言い始めたこともあり、小学3年生の1学期に、中学受験塾に通い始めました。

ところがその後、2学期からベトナム・ハノイに転勤になりまして…。でも「いったん始めた中学受験の勉強は途中でやめたくない」ということで、現地でも続けることにしました。

Cさん
うちの場合は、娘(次女)は生後すぐにアメリカで過ごし始めて、小学5年生の4月に帰国しました。

それで帰国前は、高校受験を控える上の長女のことで頭がいっぱいで、次女の進路については具体的には考えてなかったんです。

でも帰国後は、「いよいよ考えねば…」と思い出し、帰国子女向けの塾に通わせました。その塾の先生が、娘の活発な性格を見て、「ここが合うんじゃない?」と、ある学校を勧めて下さいまして。実際に見学に行くと、娘がとても気に入ったので進路を決めました。

—帰国される前は、「情報収集」も苦労なさったでしょうね。

Bさん
そうですね。日本の大手の塾が、東南アジア諸国を巡回して入試状況の説明会を催してくれる機会が何回かあったので、それは助かりましたね。その会には必ず足を運びました。

それと、日本の塾などが発行している学校案内や雑誌を活用したり、海外に発送してくれる通信教育を取っていたこともあります。

Aさん
すごいですね。うちの場合は、ある程度雑誌などで下調べはしましたが、そのうえでやったことといえば、一時帰国の際に、いくつか候補の学校を見学に行った程度。

そのときに本人が「いいな」と思った学校が、たまたまタイのバンコクで海外での中学入試をやっていて。バンコクなら日本に一時帰国するよりもずっと近いですし、12月という早い時期に合格か否かが決まるので、「ラッキー」と思って海外で受験させることにしました(笑)。

Cさん
皆さんすごいですね。私は、帰国前は中学受験に関しての情報収集はあまりしていなかったです。

Bさん 
でも頑張っていたつもりでしたが、日本に住む受験生に比べると全然違ったかも…。

というのも、娘は小4の後期からハノイにある小規模の塾に通い始め、小6まで4科目の勉強を細々と続けることができたのですが、その後いざ帰国すると、同じ6年生が、夜もお弁当持参で塾で必死に勉強しているのを目の当たりにして…。

「娘は果たしてこのペースについていけるのか?」と思ったほどです。でも、娘はみんなで勉強する雰囲気に憧れていたようで、前向きに飛び込んでいきました。

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