帰国後の「したい!」を叶えるために今、やっておくべきことは?
不測の事態で、様々な予定の再調整が必要になることも多い昨今。受けるダメージを最小限にするにはあらかじめスケジュールをイメージしておき、いざというときに調整しなおせる範囲を把握しておくことが得策です。そこで専門家に、スケジュール管理の極意を伺いました。
賢いスケジューリングのための3STEP
一時帰国の予定が白紙になったり、帰国後の学校の入試日程が変更になったりと、多くの方が情勢に振り回されている昨今。しかしこんなときだからこそ、「絶対に叶えたい帰国後の願い」を明確にし、その実現に向けたスケジュールをシミュレーションしておくのがいいだろう。具体的にイメージしておくことが、今後の情勢の変化に慌てず臨機応変に対応するためのベースになるからだ。
さて、予定変更を迫られる可能性を頭に入れながら、帰国後の願いを叶える計画を立てる場合、どんな心構えで臨めばいいか。メンタル面での成功メソッドを独自に考案し、メジャーリーガーの大谷翔平選手ほか多くのアスリートや企業から支持を集める原田隆史氏に伺った。
STEP1 まずは「目的」と「目標」の意味と関係を整理。「目的」=最終的な到達点。「目標」=目的に近づくためにクリアしていく小ステップ。
「大事なのはまず、混同してしまいがちな『目的』と『目標』、それぞれの意味を理解することです。目的は最終的な到達点、目標は目的に近づくための小ステップ。目的を達成するために、そこに続く階段(目標)を1段ずつ登るイメージを持ってください(上図)。すると、いかなるときも『自分は何のために頑張っているか』がぼやけず、モチベーションを保てます」(原田氏)
STEP2 「目的」と「目標」を設定。コツは目的を、絶対に叶えたい願いにすること。目標は具体的にすること。目的も目標も文字で残すこと。
目的と目標の意味と関係を頭に入れたら、いよいよ次はそれぞれの設定だ。今回の目的は「帰国後の願い」とまだ先の話で、欲張ってしまいたくもなるが、海外滞在期間には限りがある。そのため、親子であれこれ話して願いをいくつか挙げたら、それらから「絶対に叶えたいもの」だけを抽出しよう。
次に目標の設定だが、原田氏曰く、コツは「とにかく具体的な内容にすること」だそう。「賢いスケジューリングとは、結果につなげるスケジューリング。各目標は『〇月〇日までに〇回する』『毎日、〇〇を起床時に〇分行う』というように、期日(いつまでに)や頻度(毎日など)、どれくらいするかの数値目標(何回、何分)をセットにして、できるだけ具体的にします。これで日々ブレずに努力し続けることができ、おのずと結果につながる行動をとれるようになります」(原田氏)
期日や数値目標を決める際は、ライバルの目標内容、帰国子女仲間の経験談、塾の先生ほか専門家による意見、本、インターネットと、様々な方向から仕入れた情報を参考に検討するのがいいという。では目的と目標を設定することができたら、次は何をすればいいか。原田氏は両方をしっかりと文字で残すことをすすめている。「書くことで頭のなかを整理できるほか、毎日それを見て意識でき、自分をそのイメージに導きやすくなるからです」(原田氏)
STEP3 「目標」を達成しながら、最終到達点の「目的」へ!その過程で、応援する側は必ず本人の「できたこと」に目を向けよう。
本人が目的と目標のために努力を始めたら、応援する側の保護者にできるのは、子どもの努力を認めて自信を高めさせることだという。
「子どもは承認されることや褒められることを心の栄養にします。心が栄養でいっぱいになると、努力を続けるための活力がみなぎってきます。ぜひ、そのしくみを大事にしてください。目標に直接関係のないお手伝いなども、できたらマメに褒めてださい。このほか、頭をなでる、ほほえむ、拍手する、感謝する、目を見て話す、じっくり話を聞くなど、『あなたがいてくれるだけで嬉しい』と無条件に子どもを受け入れる姿勢を伝え続けることも大切です。自信の高まったお子さんほど、いざというときに十分に実力を発揮するはずです」(原田氏)
お話を伺った方
原田教育研究所 代表取締役社長 メンタルトレーナー
原田隆史氏
上記ほか、クラスジャパン小中学園校長などの肩書きを持つ元公立中学校体育教師。著書は『一流の達成力』『最高の教師がマンガで教える勝利のメンタル』など多数。
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