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保護者に出来る帰国前後のグッドアクション|Action3 帰国後編<1>

滞在地での毎日に忙しくても、気になるのが、帰国後の我が子の学校生活。「日本でも楽しんでもらいたい」という切なる願いを実現するため、保護者が帰国前後にできることとは何でしょうか。臨床心理士の中里文子氏に提案してもらいました。

Action3|子どもの学校関連の悩みや違和感に適切に対処していく

見守る際に気にしたい2つのこと

1. 身体面

身体面

「強い不安感や悩みがあると、いつもより表情が硬くなる、声が小さくなる、食欲が落ちてくる、元気がなくなる、朝起きられなくなる(夜になると逆に元気になる)、イライラしやすくなるといった変化が身体に出てきます」(中里氏)

2. 行動面

行動力

「心に疲れがたまると、好きなことへの興味が薄くなる、スマホばかり見るようになる(またはスマホを見なくなる)、忘れ物が増える、それまでしていた友だちの話をしなくなるといった行動の変化が見られます」(中里氏)

まずは見守りと会話のポイントをおさえよう

帰国して我が子が日本の学校に通い始めると、「大丈夫だろうか」とどうしてもソワソワしてしまうもの。しかし過剰に心配してしまうと我が子の様子を冷静に見られなくなるので、できるだけ落ち着いて、いつも以上に「見守り」と「親子での会話」を大事にしながら過ごすのがよいという。

「見守りが大事な理由は、お子さんのSOSが言葉より前にお子さん自身の身体と行動から出されるためです。気になる変化が見られたら、何らかの行動を起こしてあげるタイミングだと頭に入れておくとよいと思います。また親子での会話については、いくつかのポイント(詳しくは左の「帰国後の親子での会話のコツと注意点」参照)をおさえることで、お子さんが心の声を吐き出しやすくなり、気持ちも落ち着きやすくなるでしょう」(中里氏)

お話を伺った方

臨床心理士 中里文子(なかざと・あやこ)氏

同財団の教育相談員として、帰国子女とその家族をサポートする。海外の日本人学校教諭や校長、東京都教育庁の課務担当副参事、港区小学校校長、杉並区小学校統括校長などを歴任。

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