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保護者に出来る帰国前後のグッドアクション|実践編4

滞在地での毎日に忙しくても、気になるのが、帰国後の我が子の学校生活。「日本でも楽しんでもらいたい」という切なる願いを実現するため、保護者が帰国前後にできることとは何でしょうか。教育ジャーナリストの佐藤明彦氏に提案してもらいました。

具体的な悩みや違和感に対する動きかた

海外の学校では当たり前のように
パソコンやタブレットをつかっていました
ICT教育が遅れていませんか?

ICT教育

<国・学校のAction>
連絡手段はデジタル2021年度には児童・生徒にデジタル端末を配備

学校からの便りが紙からデジタルへ移行し、遅刻・欠席の連絡や保護者アンケートもインターネットを使って…。2020年10月に文部科学省から出された通知により、このように連絡手段等のデジタル化は加速している。授業でもプロジェクタ等は多くの学校が導入済。2021年度には、日本全国の小中学校で児童・生徒一人につき1台のパソコンやタブレットが配備された。

<保護者のAction>
まずは日本の今を知り満足できなければ次の手

公立校のICT(※1)化という点で、2021年は日本の教育界における節目の年となった。

「国の『GIGA(※2)スクール構想』により、全国のほぼすべての小中学生に、一人1台ずつデジタル端末が配備されました。海外に比べると遅れているという印象を持たれる方もいると思いますが、これは大きな一歩です」(佐藤氏)

配備されたデジタル端末は、小学校であれば、1年生はカメラ機能を使って植物の成長を記録、2年生は手書き入力を使った新出漢字の練習、3年生はデジタルホワイトボードを使ったグループ活動、4年生は文字と写真を入れた学級新聞作り、5年生はビデオ会議のできるアプリを使った他校との交流、そして6年生はスライドというアプリを使ったプレゼン資料作り、というように活用されている。佐藤氏は「こうした学習が実社会を生きていく上で必要な資質を培うことに直結する」と考えているという。さらにネットモラルを学ぶ場所としても学校が家庭と連携して大きな役割を果たしていくと話す。一方で、ICT教育ですでに地域間格差や学校間格差が生じているという事実も。

「デジタル端末がほとんど使われず、充電保管庫に眠ったまま、なんていう学校もあります。使い方がわからず、四苦八苦しているという先生も少なくありません。もし学校でのICT教育にお子さんが満足できないのであれば、民間のコンテスト等に参加することをすすめてみてはいかがでしょう。小中高校生向けのコンテストの中には、プロジェクト学習的なもの、ICTの活用力が高まるものもあります」(佐藤氏)

*1…Infomation and Communication Technology
*2…Global and Innovation Gateway for All

お話を伺った方

教育ジャーナリスト 佐藤明彦(さとう・あきひこ)氏

『月間 教員養成セミナー』元編集長。近著は『GIGAスクール・マネジメント「ふつうの先生」がICTを「当たり前」に使う最先端自治体のやり方ぜんぶ見た。』(時事通信社)

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