【お悩みパートB 親自身のこと】
人間関係も夫婦関係もうまくいかず、心はもうヘトヘト…
日本人同士の人間関係、ホームシック、夫婦関係、言葉の問題、生活への違和感。親自身の心を疲れさせる5種類のお悩みをクローズアップ。
親自身のこと②
何かの拍子に日本の環境やモノを恋しく感じ、ホームシック状態に
インターネットのおかげで日本の友人たちとの交流は日本にいた頃と変わらず続けることができる。ただ、日本の食べ物やテレビ、音楽、空気などが無性に恋しくなり「帰りたい」と感じてしまうことが…。
臨床心理士
中里文子氏のことば
環境の変化がじわじわとストレスになって、それがホームシックの種に。まずは気持ちを書き出して整理してみてください。
ストレスの原因を書き出してみることから
環境の変化によるストレスが原因となるホームシック。その対策としては、ストレスの原因になっている事柄を書き出して、次の3つに分類してみるのがいいと中里氏は話す。
①自分の考えや行動を変えれば改善できること
②変えられないので、我慢が必要なこと
③どうすればいいか分からないこと
①のストレスは同じ経験をしている人のブログを読むこと、現地の言語を習得していくことなどで軽減できる場合が多いという。②と③は日本語で相談できる人に話すこと。できればカウンセラーや海外滞在経験のある同性がいいという。
やり残しをわざと作って日本へ一時帰国する
ホームシックの状態で一時帰国をすると郷土愛が蘇り、また海外へ戻るのが苦しいと感じる方も…。
こうした状況に備えてできるのは「再渡航に合わせて習い事を予約しておく」「隣人に日本のお土産を渡す約束をする」など一時帰国の前に現地での「やり残し」をわざと作ることだという。
「このように、自分の中で何とか気持ちを奮い立たせるための言い訳のようなものを考えることを、心理学用語で『自我防衛機制』といいます。ストレス軽減方法のひとつです」(中里氏)
お話を伺った方
臨床心理士 中里文子氏
「AGカウンセリングオフィス」の代表。心理カウンセリングや教育相談、児童相談所での虐待通報・子育て相談、駐在員の家族のメール相談などを行う。「気が重いなあ」「不安だな」と心の病気の小さな芽が出始めたとき(症状が深刻になる前)のカウンセリングを重要視する。
https://agc-office.com
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