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2024年卒学生の3月1日時点の就活調査(後編):内定率は前年同期を上回る32.4%

2024年卒の採用広報が3月1日に解禁され、本格的な就活シーズンが始まった。企業の採用意欲が一層高まる中で、就活生たちはどのようなスタートを切ったのだろうか。就活サイト「キャリタス就活」を運営する「株式会社ディスコ」(本社:東京都文京区)が、学生モニターを対象に解禁直後の就職活動状況や意識について調査を行い、その結果を公開している。

セミナー・会社説明会の参加社数の平均はオンライン形式9.6社

会社説明会(個別企業へのセミナー)の参加状況を開催形式ごとに確認したところ、コロナ禍により大きく減少した「会場型」への参加が徐々に戻り、約5割(48.6%)に上っている。ただ、依然として「オンライン形式(WEBセミナー)」が中心で、全体の約9割(88.7%)が参加経験を持つようだ。参加(視聴)社数は、会場型で平均3.4社、オンライン形式での視聴が平均9.6社。今後の参加予定者数については、全体の平均は7.1社にとどまり、前年調査(8.0社)を下回った。

また、選考試験(本選考)の受験状況については、エントリーシート(ES)を提出した学生は全体の82.9%で、早くも8割が提出経験を持つ。これは、前年同期調査(81.0%)よりもさらに高い数字で、提出のタイミングが一段と早まった様子がうかがえる。ただし、一人あたりの提出社数は、前年同期をやや下回った(平均6.3社→5.9社)。

筆記・適性テストを受験した学生は8割弱(77.8%)。面接受験者が7割を超えるなど(72.0%)、選考受験率の増加傾向が続いていて、選考時期を早める企業が増加していることが読み取れる。

内定状況は、2月の23.8%から8.6ポイント上昇

3月1日現在の内定状況については全体の32.4%と、2月の前回調査(23.8%)から8.6ポイントの上昇を見せ、就活解禁のタイミングで就活モニターの3割が内定を手にしていることが分かる。前年同期実績(28.6%)からも3.8ポイント上回っており、現在の日程ルールが8年目を数える中で、早期化が一段と進行していることが読み取れる。

なお、内定取得学生のうち、就職先を決めて就職活動を終了したのは22.7%。この数字は前年の19.0%よりやや多いものの、大半の学生は内定を得ても就職活動を継続しているようだ。モニター学生全体を分母にとると就活終了者(就職先決定)の割合は7.4%で、多くの学生にとって、本番はまだまだこれからといえる。

ただし、理系学生は内定率・就職決定率ともに文系に比べて高く、終了者(就職先決定)が1割を超える結果(12.7%)となっている。

内定を得ている学生に内定企業の業界を尋ねたところ(全40業界、複数回答あり)、1位は「情報処理・ソフトウェア」。同業界の内定率は文系理系ともに1位で、文理問わず内定を得ている。この業界は学生の志望業界で2位に挙がっており、多くの学生が志望し、実際に多くの内定が出ている様子が見てとれる。2位は「調査・コンサルタント」、3位は「建設・住宅・不動産」で、上位3業界は前年と同順位だった。

(取材・文/松井さおり)