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家庭内の金融教育、高校生の子どもに親が求めることの1位は「お金の大切さの理解」「お金を計画的に使うこと」

2022年度から学習指導要領が改定され、高校で必修化されることとなった「金融教育」。文科省は、その目的について、「家計の構造や生活における経済と社会との関わり、家計管理について理解すること」「生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について、ライフステージや社会保障制度などと関連付けて考察すること」などを挙げている。

これを受けて「MMDLabo株式会社」(東京都港区)が運営する「MMD研究所」が「ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社」(東京都千代田区)と共同で、「高等学校の金融教育必修化に関する意識調査(高校生と親と教師の意識)」を実施。その結果を公開している。

今回の調査は、高校生とその親向けに、予備調査では15歳~69歳の全国の男女50,000人、本調査では高校生481人、高校生の親1,000人の計1,481人を対象に実施したもの(期間;2022年6月24日~6月28日)。高校教師向けには、予備調査では20歳~69歳の教育関係者10,000人、本調査では高校教師500人を対象に調査を行った(期間:2022年6月24日~6月27日)。

高校教師が高校生の金融教育で必要だと思うことの1位は「家庭での指導」

これによると、高校生とその親向けの調査(予備調査から高校生の親1,000人を抽出)で、高校生の子どもの金融教育が行われるべきだと感じる場所について聞いたところ(複数回答可)、「学校での授業」が51.6%と最も高く、次いで「学校でのセミナー・イベント」が34.6%、「家庭内での指導・教育」が25.0%となった。

一方、高校教師向けの調査(予備調査から高校教師500人を抽出)では、高校生の金融教育で必要だと思うこと(複数回答可)について、「家庭での指導」が32.2%と最も高い結果になった。次いで、「金融に関する興味・関心を高めること」(31.8%)、「専門家からの指導」(30.2%)と続く。

家庭内における金融教育の悩み、高校生の親の1位は「自分の金融に関する知識が不足していること」

高校生の親1,000人を対象に、家庭内での金融教育について聞いたところ、「実施している」が16.9%、「以前実施していた(今は実施していない)」が7.8%、「実施していないが、実施しようとは思っている」が36.6%、「まったく実施していない(実施する予定もない)」が38.7%となった。

さらに、高校生の親に、家庭内の金融教育での悩みについて聞いたところ(複数回答可)、「自分の金融に関する知識が不足していること」が21.9%と最も高く、次いで「どこから教えて良いのか分からないこと」が18.1%、「自分の知識が誤っていないか不安なこと」が16.8%となった。

また、高校生の親1,000人を対象に、家庭内の金融教育で親が子どもに求めることについて聞いたところ(複数回答可)、「お金の大切さを分かってほしい」と「お金を計画的に使えるようになってほしい」がともに42.3%でトップとなった。次いで、「自分のお金を管理できるようになってほしい」(39.9%)、「お金を無駄遣いしないでほしい」(35.6%)と続く。

高校教師500人を対象に、高校生に家庭内で身につけてほしい金融リテラシーについて聞いたところ(複数回答可)、「お金の大切さを理解すること」が52.4%で最も高く、次いで「自分のお金を管理できるようになること」(50.4%)、「お金を無駄遣いしなくなること」(47.2%)と続く。

「金融の知識に乏しく、子どもに教えられる自信がない」という方は、この機会に子どもと一緒に勉強を始めてみるといいかもしれない。

(取材・文/松井さおり)