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1月1日時点の就職意識調査。志望先が明確に決まっている学生は32.0%

3月の就職活動本番を2カ月後に控えた1月1日時点で、2022年卒学生の準備はどこまで進んでいるのだろうか。『株式会社ディスコ』(本社:東京都文京区)が運営する就活サイト「キャリタス就活2022」の学生モニターを対象に行った就職意識調査の結果が公表されている。

今回の調査は2022年3月に卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)1,164人(文系男子356人、文系女子357人、理系男子332人、理系女子119人)を行ったもの。2021年1月1日~6日に、インターネット調査を行い、集計した。

昨年に続き、IT業界に人気が集中

1月1日時点での志望業界の決定状況を尋ねたところ「明確に決まっている」という学生が3割を超え(32.0%)、前回の11月調査(27.3%)より4.7ポイント増加した。前年同期(29.5%)をやや上回っていることから、志望業界決定のタイミングが早まっている様子が見てとれる。理系においてはとりわけ早く、理系男子では半数近くが「明確に決まっている」と回答している(45.8%)。

具体的な志望業界を尋ねたところ(40業界から5つまで選択)、全体で最も多かったのは「情報・インターネットサービス」(18.8%)。さらに「情報処理・ソフトウェア」(16.4%)と続き、前年に引き続きIT業界に人気が集まった。

なお、文系男子の首位は「銀行」、文系女子は「マスコミ」。理系男子は「電子」、理系女子は「医薬品・化粧品」が最も多く、製造業が首位を占めた。

志望業界(上位5業界抜粋)※5つまで選択(%)

全体 文系男子 文系女子 理系男子 理系女子
1 情報・インターネットサービス① 18.8 銀行 28.2 マスコミ 20.5 電子・電機 25.4 医薬品・医療関連・化粧品 30.7
2 情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト② 16.4 商社(総合) 18.8 銀行 18.1 情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト 23.6 水産・食品 27.7
3 建設・住宅・不動産⑥ 15.9 官公庁・団体 18.4 建設・住宅・不動産 17.8 情報・インターネットサービス 22.9 素材・化学 26.7
4 銀行⑩ 15.6 運輸・倉庫 18.4 水産・食品 17.4 自動車・輸送用機器 21.4 建設・住宅・不動産 21.8
5 水産・食品④ 15.2 情報・インターネットサービス 17.3 商社(総合) 16.6 素材・化学 20.4 情報・インターネットサービス 17.8

※〇の中の数字は前年同調査の全体順位

就職先企業を選ぶ際に学生が最も重視するのは「将来性」

また、就職先企業を選ぶ際に重視する点を30項目の選択肢の中から5つ選んでもらう問いでは、「将来性がある」が49.7%と、前年調査に引き続き約半数が占める結果となった。次いで2位に「給与・待遇が良い」が続くが、前年調査よりもポイントは減少している(43.6%→41.2%)。ほかにポイントが減ったものとしては、「休日・休暇が多い」(28.0%
→22.7%)、「業績・財務状況が良い」(30.9%→26.3%)、「大企業である」(23.9%→20.4%)などが挙げられる。コロナ禍で学生優位の売り手市場に陰りが見える中、より現実的な選択へと舵を切ったようにも見える。

一方、ポイントが上昇した項目は「社会貢献度が高い」(23.0→28.4%)、「仕事内容が魅力的」(16.2%→20.2%)など。SDGs(持続可能な開発目標)の浸透によって、若い世代の社会的課題への関心が高まり、仕事を通じた社会貢献を意識する層が増えてきているようだ。

学生の7割以上がフレックスタイム制度を「魅力的」と回答

働き方改革の一環として、多様で柔軟な働き方に対する関心が高まる中、学生はどのような働き方を魅力的と捉えているのだろうか。あてはまるものをすべて選んでもらったところ、最も多いのは「フレックスタイム制度」で、学生の7割強が選ぶという結果に(72.1%)。ただし、前年調査に比べ、ポイントはやや下がっている。

一方で「在宅勤務」「サテライトオフィスの利用」といった、オフィスに出社することなく働ける遠隔勤務がポイントを挙げているのも目立った。コロナの感染拡大防止策として導入する企業が格段に増え、注目が高まったと推察されるが、遠隔勤務に限らず、柔軟な働き方ができるかどうかが就職先選びに影響するかを尋ねたところ、8割以上が「影響する」(「かなり影響する」「ある程度は影響する」を合わせた回答」との考えを示していることも明らかとなっている。

後編では、1月1日時点における就職活動の具体的な進捗状況について紹介していきたい。

(取材・文/松井さおり)