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バイリンガル学生の職業観をチェック!(後編)

昨日株式会社ディスコ(東京都文京区)が海外の大学で学ぶ日本人留学生を対象に行った、職業観や就職活動に関するアンケートの結果をご紹介した。留学生は国内学生に比べ、成長志向が強く、海外で働く希望も高く、よりスキルアップできる環境を求める傾向がみられた。本日も調査結果の続きを見ていこう。

働き方についての考え

働き方の指標についてAとBの対照的な項目を示し、希望に近い方を選んでもらった。まず、A「1つの分野で専門性を高めたい」と考える留学生は「Aに近い」「ややAに近い」合わせて 58.3%。B「幅広い業務を経験したい」(計 41.7%)を大幅に上回る。A「キャリアパスは自分で主導権をもちたい」は合計で約 9 割に上り(計 89.3%)、自律的にキャリアを形成したいと考える留学生が大半だ。

魅力を感じる採用形態

続いて、どのような採用形態に魅力を感じているのかを尋ねた。留学生は「ジョブ型採用」が最も多く、4 割超が選んだ(41.9%)。一方、国内学生は「ジョブ型採用」は 2 割未満(18.8%)にとどまっており、「総合職採用(メンバーシップ型)」が最多(43.7%)。志向の違いが顕著に表れている。

留学によるキャリア観への影響

スキルアップ意識が高く、会社軸でなく、仕事軸でキャリアをとらえる傾向にある留学生たち。留学によりキャリア観にどんな影響があったか、生の声も寄せられた。

  • 留学前は福利厚生、給与、残業時間、プライベートとの両立など、利己的なキャリア観を持っていたが、留学を経て、日本社会への貢献、世の中に与える影響など、より利他的なキャリア観を持つに至った。 <正規留学>
  • 日本の企業のジェネラリスト的な働き方ではなく、専門性を身に着け自身でキャリアをコントロールできるような働き方に魅力を感じるようになった。 <正規留学>
  • 安定性を重視せず、成長できる(転職に活きる)スキルを最初に獲得しようと思うようになった。海外で働くオプションを真剣に考えるようになった。 <正規留学>
  • 実力を評価される外資系を強く希望するようになった(年功序列制は合わないと感じた)。 <正規留学>
  • 日本が好きになり、日本のために何かしたいと思うようになった。 <交換・派遣留学>
  • あまり大手企業にこだわらなくなった。自分のやりたい事をやろうと思えるようになった。<交換・派遣留学>

帰国子女である読者のご子息・ご息女も同様か、さらに高いスキルアップ意識、仕事軸のキャリア観をお持ちなのではないだろうか? この調査結果を、ご家庭で就職活動の話題をする際のきっかけにでもしていただければ幸いだ。

(取材・文/大友康子)