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バイリンガル学生の職業観をチェック!(前編)

バイリンガル学生のキャリア意識を国内学生と比較分析

新卒の採用支援を行う株式会社ディスコ(東京都文京区)は海外の大学で学ぶ日本人の正規留学生や交換・派遣留学生を対象に、職業観や就職活動に関するアンケートを実施。このほど、その結果とともに、比較可能なものに関して国内学生の調査結果や過去データを引用しながら、その特徴を比較分析して公表した。その内容を、今日と明日とで見ていこう。

【「海外留学生のキャリア意識と就職活動状況」調査概要】

調査対象 バイリンガルのための就職・転職サイト「CFN」に登録している日本人留学生のうち、卒業時期が2022年5月以降の者1万1258人
調査方法 インターネット調査法
調査期間 2023年3月1日~20日
有効回答数 585人

※比較した国内学生は株式会社ディスコが運営する就職支援サービス「キャリタス就活」の学生モニター

海外での勤務希望と海外で働きたい理由

海外の大学への留学経験をもつ日本人留学生は、どのような仕事に就きたいと考えているのだろうか?  まず、海外での勤務について希望を尋ね、国内の大学・大学院で学ぶ学生(以下、国内学生)と比較した。留学生は「ぜひ働きたい」が 6 割強(66.2%)。「どちらかといえば働きたい」(22.6%)も含めると 9 割近くに上り(計 88.8%)、海外勤務への意欲は極めて高い。一方、国内学生は 4 割にとどまる(計 40.6%)。

留学生が海外で働きたい理由を見ると、「よりスキルアップできるから」(44.9%)が最も多い。次いで「給与・待遇が良いから」「将来のために勤務経験が必要だから」「より活躍できると思うから」が 3割台で続く。成長志向の強さがうかがえる。

就職先企業を選ぶ際に重視する点

また、就職先企業を選ぶ際に重視する点を 30 項目から 5 つまで選んでもらい、国内学生の回答と比較した。留学生・国内学生とも「給与・待遇が良い」「将来性がある」が上位 2 位で、留学経験にかかわらず、重視する学生が多いことがわかる。

一方で、両者が大きく異なる項目も見られる。「日本以外の国で働ける」「高いスキルが身に付く」「優秀な人材が多い」といった項目は、留学生の方が大きく上回っており、自身がスキルアップできる環境を求めていることが読み取れる。

「福利厚生が充実している」「休日・休暇が多い」「希望の勤務地で働ける」「業績・財務状況が良い」などの項目は、国内学生の方が上回っており、安心して働ける環境を求める学生が多いことがうかがえる。

明日も調査結果の続きを見ていこう。

(取材・文/大友康子)