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23年卒学生、7月1日時点の内定率は84.9%

2023年卒業予定者の採用選考が6月1日正式に解禁されてから1カ月。大きな山を越えた就職採用戦線は、いまどのようになっているのか。「株式会社ディスコ(本社:東京都文京区)」が、運営する就職情報サイト「キャリタス就活」の学生モニターに就職活動状況についての調査を行った。

調査対象:2023年3月に卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生を含む)/回答者数:1,207人(文系男子389人、文系女子373人、理系男子311人、理系女子134人)/調査方法:インターネット調査法/調査期間:2022年7月1日~5日/サンプリング:キャリタス就活2023学生モニター

82.7%の就活生が、すでに就職先を決めて就職活動を終了

これによると、7月1日現在の学生モニターの内定率は84.9%。前年実績(80.1%)を4.8ポイント上回る高い数字を記録した。ただし、4月時点では8.3ポイントあった前年同月との差は、5月には6.6ポイント差、6月には5.1ポイント差、7月には4.8ポイント差に。月を追うごとにその差は縮小している。

コロナ禍前の2020年卒者の7月の内定率84.0%と比べてみても、やや上昇。選考解禁が6月になった2017年卒以降で、7月としては最も高い数字となった。

内定取得学生のうち、就職先を決めて就職活動を終了したのは82.7%。6月調査(63.1%)から20ポイント近く上昇した。選考解禁を迎え、本命企業の結果が出たことで、活動を終える学生が多かったことが分かる。

なお、内定取得学生の多くが複数の企業から内定を得ており、内定者数の平均は2.5社に上る。

文系学生の約3割は、現在も就職活動を継続中

回答者全体を分母にして活動状況を見てみると、調査時点で就職先を決定して活動を終了した者の割合は70.3%。複数社の内定を保留しているものの就職先は未決定である者(4.3%)を合わせると、終了者は74.6%となっている。活動継続者のうち「内定あり」は10.4%、「内定なし」は15.1%で、合わせて25.5%だった。

これを文理別に見ると、文系は内定保持者も含め3割近く(計28.3%)が「継続中」と回答。先月調査(計52.0%)より大きく減少したものの、理系(計20.4%)に比べ、継続率は依然として高い傾向にある。

一人あたりのエントリー社数の平均は26.9社

これまでの一人あたりのエントリー社数の平均は26.9社。3月の解禁時点から一貫して前年同期実績を下回っており、企業を絞り込む傾向が強まった。一方、企業セミナーの参加者数は前年の16.1社より約1社増加し、17.0社に。オンライン中心で参加しやすいといった事情だけでなく、興味のある企業を厳選してエントリーしたことで、意欲的に参加したいという面もありそうだ。

エントリー社数の減少に伴い、エントリーシート、筆記・適性テストなど、選考の入口部分もやや減少したが、面接試験は前年同数を保っている(9.2社)。面接に至る前の選考の通過率が高まったことが読み取れる。

後編の記事では、2023年卒生がリアルに感じた「売り手市場感」などを紹介する。

(取材・文/松井さおり)