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アンケート調査|8割以上の家庭が「性教育」を実施せず(後編)

昨日は、多くの保護者たちがその必要性を感じつつも、日本家庭の約8割が性教育を「実施していない」という現状を見た。本日は、少数派ながら、性教育を実施している家庭の実施方法などについて見ていこう。

「直接の会話」が最多、その方法は?

性教育の実施法については「直接の会話を通して行っている」が81.8%で最多。会話の方法としては、「テレビや映画で性的な場面があったときに会話をするなど、日常でできることでやっている」という声が挙がった。わざわざ時間をつくり膝を突き合わせて話すよりも、日常的に会話として話せていれば、子どももより自然に受け止められるのかもしれない。

また、性教育というと照れくささや話しにくさを感じてしまう保護者も多いもの。そんなとき参考にしたいのが「性教育に関する本を読み聞かせている」22.7%という回答。性教育を扱った絵本としては中川紗矢子著『パンツのなかまのまほう』(かもがわ出版)や山本直英・和歌山静子著『わたしのはなし (おかあさんとみる性の本)』『 ぼくのはなし(おかあさんとみる性の本)』(童心社)などが名高い。

このほか、「子ども向けの性教育のセミナーや教室などに参加している」という回答も4.5%あった。

子供の性にまつわる具体的な悩みは?

子供の性にまつわる具体的な悩みについて聞くと、「マスターベーションについていつ頃どのように説明すべきか知りたい」18.8%、「包茎など性器の取り扱いに関する正しい知識がわからない」18.2%、「性器の正しい洗い方がわからない」15.8%と続いた。

未就学児の保護者による性教育に関する座談会を開催

今回のアンケートを実施したwebメディア「キズナ」は、ティーン向け性教育サイト「セイシル」株式会社TENGA運営)とコラボし、セイシルに寄せられている3つのテーマをもとに、未就学児の保護者による座談会も実施。『おうち性教育はじめます』(KADOKAWA)の著者としても有名な村瀬幸浩氏の監修を受け、その内容を「キズナ」サイト上でも3回連載で公開している。

1本目:男/女らしさとは?「性の多様性」を考える

2本目:子どもの性器タッチとマスターベーションを考える

3本目:包茎は恥ずかしいこと?むく・むかないを考える

保護者が「性」のバイアスを取り払うことが重要

webメディア「キズナ」編集長の加藤好子(かとう・よしこ)氏は言う。

「昨今様々な『性』のあり方について見直されるようになりましたが、調査データからも、日本ではまだまだ性教育の知識や理解が進んでいない実態がわかります。また性への認識は、幼少期からの刷り込みによる思い込みが大きく、根深いものです。

知らず知らずのうちにお子様に与えてしまっている『性』のバイアスを取り払うために、まずは保護者の方に適切な知識を提供し、認識を変えていくきっかけを作りたいという想いに、TENGAヘルスケアのご賛同をいただき、今回の企画が実現いたしました。

未就学児を持つママパパの悩みに寄り添う子育てwebメディア『キズナ』では、今後も、専門家の意見や事例をご紹介しながら、子育て世帯に新たな気づきや価値の提供をしてまいります」

(取材・文/大友康子)