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就活生の心情表す「就活川柳」(前編)

就職活動モニターが寄せた就活川柳をチェック!

新卒の採用支援を行う株式会社ディスコは、毎年「就職活動モニター」を組織し、就職活動の状況を定期的に観測している(定期調査は年10回程度実施)。志望業界、エントリー社数、内定状況など、就職活動に臨む大学生の意識や動向が見て取れる。

2024年3月卒業予定者の最新「学生モニター調査結果」7月1日時点によると、今年の就活生の内定率は86%、就職先を決定し活動を終了した学生が74.3%、とのこと。今年の就職活動も終盤を迎えているようだ。

少しさかのぼるが「学生モニター調査結果」5月1日時点では、就活生たちから寄せられた就活川柳を紹介していた。終盤を迎えている今、今年の就活を風刺しつつ総括する「就活川柳」を見てみることにしよう。

就職活動モニターから寄せられた川柳は全585作品。その中から11作品が佳作として紹介されている。

コロナ禍の学生生活の一方、対面回帰の就職活動に戸惑い

「ガクチカを あの手この手で 飾り付け」(文系男子)
「コロナ明け 対面増えて 右往左往」(文系男子)
「マスク無し 人事の素顔 やっと知る」(理経男子)

2024年3月卒業予定の大学4年生といえば、高校3年の冬にコロナ禍が勃発し、大学の入学式もできなければ、授業も大学3年時までオンライン授業が多く、サークル活動なども満足にできなかった、まさにコロナとともに大学生活を過ごしてきた学年。

就職活動では「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)を尋ねられることが多いが、同級生との交流も少なく、アルバイトやサークル活動など、様々な体験の機会が少なかったこの世代には酷な質問だ。世相を理解し、ガクチカを聞くことをやめ、別の切り口の質問で学生の人となりを知ろうとする企業も出てきているが、まだまだ「ガクチカ」を尋ねる企業も多い。となると、「あの手この手で飾り付け」するしかないだろう。

一方で、授業も就職活動もオンラインに慣れてきた学生にとって、今年5月の行動制限解除後は対面でのマナーや立ち居振る舞いなど、それはそれで戸惑い、「右往左往」したことだろう。

それでも、右も左もわからない入社早々からリモートワークに突入した世代よりはずっとマシかもしれない。人事の方の素顔だけでなく、これから社内外の様々な人々とコミュニケーションをとって仕事を覚えていくことだろう。

現在の就活はインターンシップ必須!?

「インターン 行かずに内定 修羅の道」(理系男子)

保護者世代の就職活動時代にはなかった「インターンシップ」。現在の就職活動においてはかなり重要で、昨年12月時点で2024年3月卒業・修了予定の学生の9割がインターンシップ参加経験があったことを弊サイトでも紹介している。インターンシップに参加しない就職活動は、やはりかなり苦労するようだ。

内定なければ焦り、あれば中だるみ

「早々と 周りが内定 焦る自分」(理系女子)
「何となく 内定もらって 中だるみ」(文系女子)

早期化している就職活動。インターンシップなどを経て、3年生のうちから内々定を得る学生も少なからずいる。周囲が次々内定を得ているなかで、自分だけが内定を得ていなければ、相当焦るだろう。

一方、第一志望でなくとも、内定をもらうとホッとして中だるみするケースも。第一志望でなければ、「滑り止め」の安心感を得つつ、本命の活動に気合を入れていくべきだろう。

明日も残りの佳作5作品を見ていこう。

(取材・文/大友康子)