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子ども向けSNSアプリ、開発への思いとは?(前編)

子どもが安心安全に使えるSNSを

子どものSNS利用が増加している昨今、便利な一方で、いじめや犯罪に巻き込まれやしないかという心配は尽きない。そんな中、子どものためのSNSアプリ「4kiz(フォーキッズ)」(https://4kiz.jp/)の提供が始まった。開発をしたのは、株式会社4kiz。

同アプリは、4歳~12歳の子どもが対象で、絵、昆虫・植物の観察、料理、プログラミング等の作品や日常の様子などをショート動画で投稿し、友達や家族とシェアできる。アプリ登録には保護者の許可が必要で、保護者の許可を得てから投稿という設定も可能、コメントにもNGワードを設定するなど、SNSいじめや犯罪リスクを防ぐための設計がなされている。

開発には、株式会社4kiz代表取締役CEO、本山勝寛(もとやま・かつひろ)氏自身の子育て体験がベースにあるという。

「私自身は貧困家庭で育ちましたが、良い出会いなどもあり、東京大学工学部を卒業、ハーバード教育大学院修士課程を修了し、日本財団で子ども施設の事業に関わった後、起業しました。早いうちからブログやSNSを使って学んだことを発信し、その中で人々との出会いに恵まれ、今があります。SNSのポジティブな可能性を実感しているわけですが、一方で、5児の父となった今、子どもたちにインターネットの良い側面があまり届いていない、という危機感があります」と本山氏は同アプリの記者発表で語った。

子どもに適したSNSは少ない

危機感について、本山氏はこう続けた。
「子どもたちの置かれている環境はここ数年で大きく変化しました。GIGAスクール構想により小学校でも1人1台のタブレットを使用、個人でもスマホを持っている子どもは多いですし、コロナ禍もありインターネットの利用時間も増えています。でも、子どもにとって良いアプリやサービスは少ないのが現状です。大手SNS(Facebook, Instagram, Twitter, TikTok等)は、利用規約上13歳以上に限定されていますが、12歳以下の小学生でも規約違反をして既存のSNSを使っており、安全ではない状況にさらされているのです。そこで、子どもの創造性を高められるような安心安全なプラットフォームを作りました」

小学生CIOも開発・企画に参画

また、「こどもの、こどもによる、こどものためのSNS」をコンセプトにしていることから、アプリ開発・企画の段階から、CIO(最高ソウゾウ責任者)及び副CIOを小学生から公募・選任して、企画会議等に参画している。CIOに選ばれた小学5年生の瑞希(みずき)さんは記者発表で、「私たちも発信をしたい。β版を使ってみて、画面の文字がひらがなで見やすく、アカウントを作るときもお母さんの許可がいるなど安全だと思いました。CIOとして、世界で通用する安全で楽しいSNSにしたい」と意気込みを語った。

アプリの詳細は(後編)にて紹介。

(取材・文/中山恵子)

株式会社4kiz 代表取締役CEO 本山勝寛氏
4kiz CIO(最高ソウゾウ責任者) 小学5年生の瑞希さん