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帰国子女教育情報|インターナショナルスクール 入学マニュアル⑤~入学スケジュール~

国際化を背景に、日本国内のインターナショナルスクールは年々増加しています。読者の皆さんの中にも「帰国後は我が子をインターナショナルスクールへ」とお考えの方はいらっしゃるはずです。ではその場合、保護者として何をどう準備すればいいのでしょう。今特集では、その準備方法を専門家にヒアリング。ハウツーとしてご紹介します。今回は「入学スケジュール」についてです。

Q.入るまでの理想のスケジューリングは?

A.帰国2年前に情報収集をスタート。帰国1年前までに学校見学や説明会参加を経て、志望校を3校程度に絞っておきましょう。半年前には学校に志願の意思表示を。(村田氏)

帰国2年前の初動で納得のいく(編)入学に

インターへの(編)入学準備は帰国のどれくらい前から始めるべきだろうか。村田氏によると、ズバリ「約2年前がベスト」とのこと。

「インターの多くは個別の学校見学を、年間を通して随時受け付けています。ただしインターならではの夏休みや冬休みがあることは、念頭に置いておかなくてはなりません。夏休みなら6月から8月下旬、冬休みなら12月中旬から1月上旬のところが多く、入学担当者がこの長期休みに入ると手続きが遅れます。それにより希望する時期に(編)入学するのが難しくなってしまうことも。落ち着いて学校探しから手続きまでを済ませるとすれば、約2年、必要でしょう」

帰国時期が決まっていない場合でも、子どもの学齢期などに合わせたタイミングでの帰国を想定し、動き始めるといいという。

【注目】理想のスケジュール例

帰国1年前 ①志望校を数校に絞る 志望校を3校ほどに絞り、優先順位をつける。「その順位になった理由を家族で考えてみるのがおすすめです。理由が学校の教育理念とリンクすればするほど志望理由が明確になり、(編)入学先にとっても、好印象です」(村田氏)
②志望校にいったん連絡 志望校が決まったら一旦、該当校の(編)入学事務局に連絡するのがベター。「帰国時期によっては志願時期が変わります。新年度が秋始まりのインターもあるため、帰国時に(編)入学する学年を生年月日から確認しておきたいですね。また、志願できる期間も確認しましょう」(村田氏)
帰国半年前 学校に志願の意思を伝える 志望校の(編)入学事務局に連絡して志願の意思を伝達。願書や必要書類を揃える。「もろもろの書類を集め終えたら、インターに詳しいかたや塾に中身をチェックしてもらうと◎。コピーは必ずとって手元に保管してください。また、どの学校にどの書類をいつ出したかをわかるようにしておきましょう。書類の不足に関するトラブルを避けるためです」(石塚氏)
帰国3カ月前 面接に備える 願書などに書いた志願理由をあらためて親子で確認しておく。「意外と忘れたり変わったりしているものです。確認は大事です」(村田氏)

【体験談】こうした!我が家のスケジュール

理想は帰国2年前から準備を始めることですが、急な帰国決定で、準備を慌ただしく進めなければならないケースもあるでしょう。ここでは準備期間の異なる3組の親子の実例をご紹介します。

編入学2年前から準備したT・Mさん親子(ポーランド滞在)

滞在期間は2年半で、インターに通った。帰国後のインターへは子どもがG10(高1相当)の4月に編入学。

編入学2年前 学校説明会参加 夏休み中に一時帰国して、帰国生向けの学校説明会(日本国内の私立高)に参加。のびのびとした校風のインターに通っている我が子には、きっちりとした日本の高校が合わないように感じた。
学校見学 工業系の海外大学に進んで、エンジニアになりたいという我が子。インターにしょうという考えが親子で一致して、気になっていた1校を見学。
編入学1年半前 学校決定! 見学後に子どもの気持ちが固まり、書類選考へ。見学から約半年後にスカイプで親子面接。その約1週間後には合格のお返事をもらったが、入学希望者が多く、定員オーバーの場合は編入学できないとのこと。定員が確定して編入学が決まったのは、それからしばらく経ってからだった。
編入学1年前 先生とやりとり 「いつ頃に帰国すべきか」「(同じIB認定校同士だったので)単位の引き続きにあたり今の学校でどの科目を履修しておく必要があるか」など、編入学に必要な事項を先生にメールやスカイプで重ね重ね相談。現地と帰国後のインターの先生同士、学校間での情報交換もしっかりしてもらった。

先生とのやりとりを丁寧にしたから学年を下げる決心もついた

帰国時期がまったくわからず早めに編入学準備を始めたため、たっぷり時間をかけられてよかった。現地で通っていたインターと帰国後のインターは同じIB認定校だったが、双方で選択可能な科目の違いなどによりそのままのグレードでのスライドはあきらめ、G11からG10にスライドダウン。結果、子どもの順応もスムーズで、大正解だった。

編入学1年前から準備したJ・Nさん親子(タイ滞在)

滞在期間は7年で、インターに通った。帰国後のインターへは子どもがG6(小6相当)の8月に編入学。

編入学1年前 情報収集開始 前任者の事例などから「もうそろそろ帰国かな」という予測ができていたため、インターネットや情報誌などを使って情報収集を開始。半年かけて、インターの志望校を数校ピックアップした。帰る予定の地区の公立校についても調べた。
編入学半年前 ①候補校とコンタクト 半年後の帰国が決定。インターの志望校数校にメールでコンタクトをとり、入学資格の有無や試験の内容、面接の日程などについて確認した。
②家族会議開催 帰国後はインターに通うのか、公立校に通うのかを、家族会議で相談。子どもの意思を尊重してインターに仮決定し、志望校を1校に絞った。
編入学3か月前 学校見学 父親だけ先に帰国したのでその際に学校見学。親の面談もこのときに実施してもらえた。「成績表を見る限り、編入学に問題はないでしょう」と言ってもらえた。
編入学2か月前 学校決定! 1か月前の面談時の評価に背中を押され、志願。編入学が決定した。

帰国決定を待たずに情報収集を始めておいてよかった

振り返れば、帰国決定から編入学までの期間は4か月のみだったが、決定以前から情報収集を進めていたことで気持ちに余裕が生まれ、家族会議もスムーズに進められた。ただ、医師による健康診断書の入手に予想以上に手間取ってしまったこと、学校までの通学の手段を深く調べずに帰国後に苦労したことなどは少し反省。

入学半年前から準備したM・Cさん親子(アメリカ滞在)

滞在期間は7年で、現地園・現地校に通った。帰国後のインターへは子どもがG1(小1相当)の4月に入学。

入学半年前 ①情報収集開始 帰国が決まったため、インターネットで帰国後に住む家の近くの教育事情のリサーチを開始。
②学校の種類検討 インターが唯一の選択肢ではないと思い、公立校、私立校、インターを検討。帰国決定前の夏休みにした一時帰国では公立校に通わせ、学校生活も体験させた。その上で子どもがインターを希望したこと、自身の主言語が英語であること、将来のことを考えて、インターを第一希望に。
入学5か月前 学校決定! 帰国後に住む家の近くには、インターが1校しかないことが判明。その学校がIB認定校であることや進学実績が決め手となり、「入学先はここにしよう!」と決定。志望校に電話でその意思を伝えた。
入学4か月前 必要書類の収集・提出 願書などの必要書類を学校側とオンラインでやりとり。提出は郵送でした。ここで入学決定。
入学直前 英語面接 子どもの英語力を詳しく確認する親子面接。親子ともに英語での面接だった。

帰国後の家から通えるのは1校選択肢が少なくて間に合った

帰国後の学校はインターを第一希望にすえて選択肢を探ると、通える範囲にあったのは1校のみ。IB認定校であることなどの希望ともぴったり合ったので志望校決定に時間をかけずに済み、手続きなどもすべて間に合った。とはいえ、面接は帰国直後に行うなど、入学まではずっと慌ただしかったように記憶している。

 

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