Press "Enter" to skip to content

授業中に失神、給食食べつつ添削! 教員の過酷さ保護者も痛感(後編)

昨日は塾や習い事に関する総合情報サイト「テラコヤプラス by Ameba」が全国の小学生の保護者500人に対して行った「教員の働き方」についての調査結果を垣間見た。約8割の保護者は「教員は忙しそう」と、過酷な先生方の労働環境を実感していた。本日もその続きを見てみよう。

教科担任制やスクールカウンセラー導入に期待

昨今、教員たちの負担軽減に向けて国としてさまざまな取り組みが進められているが、それらについて保護者はどのように感じているのか聞いた。

まず、「子どもにもいい影響があるのでは」と期待している取り組みについて尋ねたところ、「教科担任制の導入や専科指導教員の採用」が約4割(38.2%)、続いて「スクールカウンセラーの配置」(27.6%)となった。それらについての生の声は下記の通り。

【教科担任制の導入や専科指導教員の採用】

  • いろいろな先生との関わりがもてれば、担任の先生と相性が合わなくてもほかに頼れる先生ができるかもしれないのでいいと思う。(小学1年生の保護者)
  • 教科担任制の算数の授業を受けて、子どもが算数を好きになったから。(小学3年生の保護者)
  • 心配はあるものの、深掘りした知識を得られることや、多くの人と関わることで多様な価値観を身につけられそう。(小学4年生の保護者)
  • 専科指導教員の先生が実際に学校にいるが、専門的に学べていいと思う。そして担任1人だけでなくいろいろな先生からご指導頂くほうが子どももメリハリができ、より意欲が生まれそう。(小学4年生の保護者)

【スクールカウンセラーの配置】

  • 我が子の話ではないが、子どもの登校しぶりがいつまでたっても収まらずスクールカウンセラーに相談したところ、カウンセラーが担任と親の間に入ったことで発達障がいがわかり、その保護者はとっても感謝していたから。(小学1年生の保護者)
  • いつも顔を合わせている先生や親には相談しにくいことも、話せると思う。これまでは保健の先生がその役目を担っていたと思うが、カウンセラーが配置されればよりお互いの仕事に専念できるのでは。(小学2年生の保護者)
  • 1カ月に一度しかいないが、それでも子どもが困っていることを専門的な目線で見て話を聞いてくれ、先生との連携をとって子どもへの対応を考えてくれるので助かる。(小学2年生の保護者)
  • とてもいい制度だと思う。できれば常駐しているともっといい。(小学6年生の保護者)

保護者に理解を求め、教員の負担軽減を!

調査結果について、「テラコヤプラス by Ameba」調査担当者は次のようにまとめる。

「今回のアンケートでは、約8割の保護者が教員の働き方について『忙しそうである』と感じていることがわかり、教員を気遣う保護者の声も多く寄せられました。教員と保護者の関係性は、しばしば“店員とお客さま”のように語られがちですが、実際には自身を“お客さま”と感じている保護者はそれほど多くないようです。

教員の負担軽減のために向けておこなわれているさまざまな取り組みに対しても保護者は概ね好意的に捉えており、特に教科担任制、スクールカウンセラーの導入や部活動の地域移行には期待する声もありました。

教員に歩み寄りたい意思のある保護者が多いことから、教員側からも保護者と対等な立場に立ったうえで理解を求めるアプローチをおこなうこともまた教員の負担軽減につながるのかもしれません」

(取材・文/大友康子)