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2023年春|中学入試速報! 首都圏エリア

新型コロナウィルス感染症による行動制限もなく、感染者数も減少傾向にある中で行われた2023年の入試。受験者数で過去最多を記録する都道府県が続出し、都や県、府をまたいだ受験者数もほぼコロナ禍前の水準に戻りました。第一志望校に果敢に挑む「攻めの受験」も復活。希望が見える受験となりました。

首都圏エリア(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)

首都圏の中学受験者数推移

首都圏入試は過去最多の受験者数

模擬試験等の受験者数から、昨年並みと予想されていた首都圏中学受験者数。蓋を開けてみれば過去最多の66,500名(昨年比107%)、受験率は22.6%となった。直前のコロナ感染者数も、入試日が近づくにつれて収まりを見せ、面接中止の学校も6校に留まった。WEB出願がほぼ100%となった今、出願時期が家庭により様々で、受験者動向が最後まで読みづらくなっている。

東京とのアクセスが重要な埼玉入試

1月10日から始まる埼玉入試では、昨年に続いて栄東にトータルで7,869名の出願があり大人気に。開智は組み合わせ受験(加点措置)の効果もあって志願者数増加。近年激増してきた大宮開成は、1月10日は1.76倍と緩和されたが、全回数の総応募者数は昨年以上に。東京からアクセスのよい埼玉栄、浦和実業学園、埼玉西部では、西武学園文理と星野学園が人気を集めた。

コロナの揺り戻しで千葉入試が復活

千葉入試は12月に第一志望校入試を行う学校が25校中19校。公立の強い県だが、開校した流通経済大学附属柏は141名(定員50名)が受験した。東邦大学付属東邦の推薦は合格者数40名で14.3倍に。受験者が350名以上増えた市川は、大変難易度の高い入試になった。渋谷教育学園幕張は合格者を例年より多めに出したが、ハイレベルの入試に変わりはない。

都内男子校志願がチャレンジ志向に

男子校は安全志向からチャレンジ志向に変化。開成、麻布、武蔵は人気継続。海城は3.41倍、本郷は
3.46倍、桐朋は2.45倍、城北は2.8倍、高輪は2.75倍など、受験者数増加でより厳しい入試に。今年から受験日に2/1を追加した東京都市大学付属は、周辺や同難易度の学校の受験者数に影響を与えた。2026年に明治大学系列となる日本学園は人気が沸騰。

都内女子校もその多くが人気維持

女子校の人気も継続。桜蔭が2倍以上で難化。女子学院、雙葉も難易度維持。豊島岡女子学園は合格者数を絞り2.38倍に。吉祥女子は出願数、鷗友学園女子は受験者数で過去最多となった。田園調布学園は2.74倍、品川女子学院は2.58倍、三輪田学園は2.48倍と人気。香蘭女学校、山脇学園、実践女子学園は、近年の高い人気が維持された。

附属校人気が一服。国際系は分散化

共学(進学校)は、開成・麻布の併願校として渋谷教育学園渋谷の受験者数が増加。昨年の大学進学実績が評価された東京都市大学等々力も人気に。一方、高止まり傾向にあった大学附属校は、相対的に応募者減。国際系は、芝国際の出現で受験者が分散した結果、広尾学園小石川、開智日本橋学園などが影響を受けた。

都内進学校と併願の多い神奈川私学

男子は、開成との併願が多い聖光学院は90名増加&3.25倍で難関入試に。麻布や駒場東邦との併願が多い栄光学園も志望者増。女子は豊島岡女子学園と併願が多く2科目受験を無くしたことで注目された洗足学園が人気。東京の男子校とも積極的に交流する湘南白百合学園では1科午後で昨年度より倍増の423名が出願。共学校では青山学院横浜英和が人気に。

学校選択の大きな2つの潮流

「国際系」、「コース制」、「大学附属」といった、非常にわかりやすい“進路の明確化”で、未来への期待感を感じさせる学校が多くの受験者数を集めている昨今。その一方で、最難関校をはじめとした伝統校や男女別学校、ミッション校は、ホスピタリティーの精神に溢れており、理念や教育方針をじっくりと研究したうえで受験する方の支持を集めている。

制作協力/日能研関東、日能研関西、日能研東海
日能研HP:https://www.nichinoken.co.jp/