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世界の学生のための科学分野の大会に挑戦|国際高等専門学校

<第5回>白山麓キャンパス・レポート
Welcome to Hakusanroku!:国際的な科学分野の大会『ブレイクスルー・ジュニアチャレンジ』に挑戦

国際高等専門学校(International College of Technology, Kanazawa 以下、国際高専)は、英語で学ぶ工学基礎を重視したSTEM教育を行う新しい高等教育機関です。国際高専のウェブサイトでは、キャンパスの今を伝える「白山麓ジャーナル」を英語と日本語で随時配信しています。

この「白山麓ジャーナル」から、トピックスをピックアップして紹介する連載企画の第5回目は、2年生の学生が、科学に関する世界的な大会にチャレンジしたという話題をレポートします。

貴重な体験になる国際的な大会。「何か一つのことを成し遂げたい」と参加を決意

2021年の1学期のこと。2年生のアファフ・アラーさんは、忙しくてほとんど寝る時間がないという、とてもハードな毎日を送っていました。それは、「ブレイクスルー・ジュニアチャレンジ(The Breakthrough Junior Challenge)」という世界中の学生による科学・数学分野の大会に応募するための動画をつくっていたからです。

「ブレイクスルー・ジュニアチャレンジ」は、次世代の科学者となりえる学生たちを対象に、生命科学・物理学・数学の基本概念に関する創造的思考を引き出すことを目的とした大会です。毎年、13~18歳の世界中の学生が、オリジナルの動画を作成して応募します。

アファフさんが、このコンテストにチャレンジしようとしたのは、「何か、一つのことを成し遂げたかった。それに、コンテストへの参加はとても貴重な経験になる」と考えたからです。また、国際高専には日本国内のコンテストに参加する学生がたくさんいるので、「人とは違うことにトライしてみよう」という気持ちもあったといいます。

応募するためには、最長で3分間と規定された動画を制作する必要がありました。まず、アファフさんはやるべき作業を4つのステップに分けて、スケジュールを立てました。最初に、制作する動画のテーマを決めて、それについてリサーチします。次に、動画の絵コンテと台本をつくり、三番目は必要なシーンの撮影、そして最後に動画の編集をします。締め切りまでには、約2カ月間ありました。

 

 

テーマ選びにひと苦労し、休日も返上して、寝る間を惜しんで撮影した日々

「テーマ選びにはとても苦労しました」と、アファフさん。2021年は人類初の月面着陸から60年という記念すべき年なので、宇宙探査も『ブレイクスルー・ジュニアチャレンジ』のテーマの一つにあげられていました。アファフさんは以前から宇宙に関することに興味をもっていたので、「宇宙探査をテーマにしよう」と、下調べを始めたのですが、なかなか一つに絞ることができません。二つのテーマをリンクさせてつくることも考えましたが、物理の伊藤先生が「動画の制限時間は3分しかないのに、二つのテーマを盛り込むと、情報量が多すぎて複雑になってしまう」というアドバイスをくれました。いろいろなことを調べた結果、動画の内容はもちろん、それを説明している自分の姿もイメージできる、最適なテーマがみつかりました。

『宇宙ゴミ(Space debris)』です。アファフさんはさらに詳しいリサーチを始めました。

リサーチを終えると、すぐに台本と絵コンテ作りにとりかかりました。できあがった台本は、もう一人の物理の先生であるブランドン先生にチェックしてもらい、規定時間の3分におさまるよう、時間を計測ながら台本を仕上げていきました。

動画の撮影には、学校の黒板を使いました。どのシーンにも自分で書いた文字を入れ、アニメーションも加えるので、撮影にはとても時間がかかります。エンジニアリングデザインの授業のウェブサイト制作などもあったので、ストレスフルではありましたが、動画制作と同時進行で要領よくこなしていこうと心に決めました。「放課後は撮影、夜は台本にそったナレーションの練習と小道具づくり。休日は朝6時に起きて、夜中の3時に寝るという生活が続き、眠る時間はほとんどありませんでした」と、アファフさんは振り返ります。

撮影作業を終え、動画の編集にとりかかったのは、締め切りの1週間前でした。撮りためた動画を少しずつカットながら、それに合わせてナレーションを入れる作業に入りました。フリーの音楽や効果音といった素材を探すのにも苦労し、時々アプリがクラッシュして、それまでの作業が全て無駄になってしまうこともありました。「もう、あきらめたほうがいいのでは?」と、思ったこともあったそうです。

途中であきらめなかったのは、達成への強い信念と両親への思いから

でも、アファフさんは決してあきらめませんでした。その理由は二つあります。「約2カ月間、学校の授業も手を抜かず、動画づくりを続けてきたのに、ここであきらめたら、自分自身を裏切ることになる。それに、二度と何かを達成することができなくなるのではないか?」と、思ったのです。

もう一つの理由は、両親に、自分を誇りに思って欲しかったから。どんな時もアファフさんを支えてくれる両親は、彼女にとって一番のサポーターです。動画制作の最中は、何度も励ましの電話をくれ、大好きなお菓子を送ってくれたこともありました。

「両親には本当に感謝しています。この動画を完成させたら、きっと喜んでくれるだろうと思い、眠れない夜も涙を拭いて編集作業を続けました」。

ようやく動画の編集が完了したのは、提出期限の前日の夜でした。「やっとコンテストに作品を提出できる!」と思ったところで、肝心なことに気が付きました。コンテスト応募の申請をするには、学校の電話番号や、自分の住所のほかに、科学の大切さとコンテストに参加した理由について、文章を書かなくてはなりませんでした。

「締め切りに間に合った!」と思ったら、予想外のことが……

残り時間は2時間。アファフさんは「間に合わないのでは?」と、焦りましたが、ポーリン先生が英語の文法のチェックしてくれ、なんとか締め切りの30分前に申請を済ませることができました。

ところが、できあがったYouTubeの動画をチェックしてみると……。なんと、動画の再生時間は3分1秒と表示されているではありませんか!

「動画制作のアプリ上では、『3分と0.23秒』となっていたのに!」。アファフさんは愕然としました。すでに提出済みだった動画を再度アップロードすることはできません。でも、ポーリン先生がYouTube上で動画を編集できることを教えてくれ、さらに、0.23秒分の動画をカットすることも手伝ってくれました。

すべてが完了したのは提出期限の15分前。 「ようやく自分を誇りに思えることを達成できた!」と、アファフさんは喜びと安堵の気持ちでいっぱいになりました。「もしこの先、何かにくじけそうになったら、このコンテストの動画づくりでがんばったことを思い出せば乗り越えられる」とも思ったそうです。

「これからも自分の限界に挑戦して、より成長した人間になるようにがんばります。コンテストの結果は11月に発表されますが、とてもレベルが高い大会なので、入選は期待していませんが、このチャレンジは私にとって本当に良い経験となりました」。

もちろん、動画を観たアファフさんのご両親はとても喜び、多くの人が褒めてくれたそうです。アファフさんの動画はこんな風に始まります。

紙のボールをキャッチしたアファフさんは、ゴミ箱のほうに歩きながらこう言います。

〝If you have a letter, you can throw it away in the trash can, which will be collected and treated at a waste treatment facility. But……, what about in space?″

そして、アファフさんが窓から外をみあげると、宇宙にとびたつロケットのアニメーションが動き出します……。アファフさんの制作した動画はこちらから視聴できます。

サイエンスや数学は世界共通。だからこそ英語で学ぶ

国際高専は、国内外から幅広く学生が集まるグローバルな環境で、刺激を受け合いながら、共に成長できる教育環境を整えています。プロトタイプを作りながら解決策を考えていく「エンジニアリングデザイン」の授業では、国連・SDGsの17の目標を念頭におきながら、地域の課題にチームで取り組み、サイエンスの知識とテクノロジーを応用しながらイノベーションを創出します。

教育の柱のひとつとして、英語で行う「STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育」を重視しています。それは、科学や数学が世界共通の真理であるため、これらの分野を英語で学ぶことは、のちに留学して専門分野を探究したり、卒業後グローバルな企業で活躍するのに役立つからです。

1、2年生は、自然豊かな白山麓キャンパスにある全寮制スクールで、英語で数学、理科、情報を学ぶほか、徹底した英語スキルの修得を目指します。3年生は、ニュージーランドの国立オタゴポリテクニクに留学。そして、4、5年生は併設校である金沢工業大学と連携し、分野横断型の研究やプロジェクトに取り組みます。

さらに金沢工業大学 大学院 情報工学専攻まで進学すると、最短2年間で全米ベスト大学の一つ、ロチェスター工科大と金沢工業大の2大学の修士号取得の道もあります。

「国際高等専門学校(5年間)」+「金沢工業大学の学部及び大学院(4年間)」の9年一貫教育により、グローバル・イノベーターを育成します。

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国際高専入試センター
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