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帰国子女の親必読!| キーワードから読み解く日本の教育最新事情④|EdTech(エドテック)」の実施状況と展望

EdTech(エドテック)とは、Education(教育)とTechnology(技術)を合わせた造語で、主にデジタルテクノロジーを活用した新しい教育手法のこと。具体的にはタブレットやスマートフォンなどのITデバイスを用いて、ゲーム感覚で学べる知育アプリや好きな時間に好きな場所で学べるオンライン学習、AI(人工知能)、IоT(モノのインターネット※1)、VR(仮想現実)を活用した教材など、その定義に含まれる教育手法は多岐にわたる。

日本におけるEdTechの先駆者であり、経済産業省「未来の教室とEdTech研究会」座長代理の佐藤昌宏(さとう・まさひろ)氏は、「そうした手法を用いて教育をより面白く、効率的にする世の中の動き(イノベーション)自体を、EdTechと呼ぶこともあります」と話す。同氏に日本の小中高校でのEdTechの実施状況と今後の展望について伺った。

EdTech(エドテック) 現在の実施状況

小学校

「昨今の大きなニュースとしては、今年4月に5・6年生になる高学年の児童に対し、国が一人一台のPCやタブレットを提供し始めることです。公立各校のネットワーク配備やソフトウェアの導入などもありますから、かける国家予算は莫大です。EdTechを推し進めることを経済発展や社会問題の解決につなげようとする国の本気度が伺えます」(佐藤氏)

カリキュラム面では、同じく今年度から各教科学習のなかにプログラミング教育が組み込まれることになり、この設備投資が大いに活かされる見込みだ。

中学校

今年度より1~3年生に小学5・6年生と同じく、国からPCやタブレットが一人一台ずつ提供され始める。こうした公教育での取り組みに加え、放課後の生徒たちの学びのなかにもEdTechが浸透してきていると佐藤氏は話す。

「高校受験に備えて塾に通う代わりに、近年では有名講師の講義を動画で観て学んだり、オンラインの個別指導サービスを活用したりしている子どもも増えています。さらに、友だちと一緒に図書館などで学ぶ代わりに、インスタグラムなどのSNSで勉強アカウントを作って、自分の勉強する様子を撮影した動画やきれいに書けたノートの写真を公開している中学生も。SNSでのハッシュタグは、#studywithmeです。淡々と学ぶ様子や整理されたノートを見ると、自分も同じようにしようというミラー効果が働いて、やる気がわくというのですから面白いですよね」(佐藤氏)

高等学校

小学校(高学年)や中学校のように国からPCやタブレットが提供されることはないものの、ITデバイスを活用した教育は全国各地で目立つようになってきている。例えば、生徒個人のスマートフォンを利用した小テストを実施する、スマートフォンを授業後の意見の共有や家庭学習時間・内容の記録に活用させる、宿題をインターネットで配信するなどだ。

EdTech(エドテック) 今後の展望

小学校

「これまで日本の小学校教育は『皆に同じ学習を』と考える平等主義でしたが、家庭環境や学習状況、発達段階、理解力などが個々でまったく違うことが社会的に広く認知されつつある近年、その主義が見直されつつあります」と佐藤氏。見直しにより、これからの授業は「アダプティブラーニング(個別最適学習)」が軸になり、Edtechがますます浸透していくと予想される。

「現在、学習の記録は主に書面で学校から家庭に知らされていますが、ゆくゆくはクラウドのシステムを使って、学校、家庭、塾などで個々のデータを共有していくようにもなるはずです」と佐藤氏は続ける。

中学校

これまでも技術・家庭科(技術分野)の授業にはプログラミング教育が組み込まれていたが、来年度以降は仕組みの理解からプログラムの制作、情報セキュリティまで、より踏み込んだ内容に。そしてアダプティブラーニングやクラウドのシステムが確立されれば、小学校時代の学習ログを中学校に引き継ぐことが当然のように行われるようになるだろう、と佐藤氏は予測する。

高等学校

再来年の2022年度に実施となる新学習指導要領では、情報科において共通必履修科目「情報Ⅰ」が新設され、全生徒がプログラミングのほか、情報セキュリティを含むネットワークやデータベースの基礎等を学ぶ。データを適切に活用する力や、コンテンツを創造する力の育成がねらいだ。

さらに注目すべきは大学入試。佐藤氏は、いずれ大学入試のない時代が訪れ、EdTechで叶う学習ログの蓄積がその役割を果たす日が来ると考える。「受験の結果はその日の体調や精神面のコンディションに大きく左右されるもの。大学入学資格の有無は、そんな一発勝負よりも、ずっと積み重ねてきた学習のログのほうが公正に評価できるはずです。定点観測よりも常時観測が大事だと思うのです」(佐藤氏)

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お話を伺った方

佐藤 昌宏氏

佐藤 昌宏氏 経済産業省未来の教室とEdTech研究会座長代理

インターネットを使う学習形態「e-Learning」の開発会社を設立。現在はデジタルハリウッド大学大学院でEdTechの研究と学生指導を行う。また、上記ほか、数々の国の委員を務める。

イラスト/茂苅恵

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