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ネイティブ先生が答える帰国子女教育⑥|帰国生入試の英語エッセイで成功するには?

日本への帰国を前提とした海外での暮らしの中で、帰国後の子どもの教育に疑問や悩みを持っている保護者も少なくないようです。そこで、海外に住む保護者からの様々な質問に、帰国子女対象の英語塾「帰国子女アカデミー」の英語ネイティブの先生が答えてくれました。

Q. 帰国生入試の英語エッセイで、よい得点を取るにはどうすればいいですか?(アメリカ在住・10歳の子の保護者より)

A. まずは帰国生入試の英語エッセイを理解しよう

帰国生入試には英語エッセイの試験がよく組み込まれています。

ですが、日本で中学や高校時代を過ごした親御さんにとって、そもそも「エッセイ」のようなアメリカやイギリスでよく見受ける試験形式は特異に感じられることでしょう。

そのため、「エッセイの試験に不安や戸惑いを覚える」という声はよく聞きます。

帰国生を受け入れる学校は、帰国生であるお子さんに対し、どのような英語エッセイを書くことを期待しているのでしょう? 私の考えをお伝えします。ですがその前に、一般的な帰国生入試の英語エッセイとはどのようなものなのか、整理しておきましょう。

まずは下をご覧ください。帰国生入試の英語エッセイにおける代表的な3タイプと、主な評価基準はこのようになります。

【帰国生入試の英語エッセイ~代表的な3タイプ~】

1 …論理的で説得力を持たせる必要のあるタイプ
2 …人生経験など個人の物語を書かせるタイプ
3 …フィクションの物語を書かせるタイプ

【帰国生入試の英語エッセイ~おもな評価基準~】

1 …言語(文法、文章構成、スタイル)
2 …表現方法(筆跡、長さ、整然さ)

英語エッセイの評価は教師ごとに異なる

代表的な3タイプのいずれにおいても、何をどの程度評価するかは学校ごと、さらには教師ごとに異なります。各教師で評価基準が異なる点について、私が経営する帰国子女のための英語塾「帰国子女アカデミー」での例を通してご紹介します。

当塾で講師を採用する際、私が応募者に必ずやってもらうことがあります。それは、「生徒が書いた40本の英語エッセイを読み、上位20位分を選んでもらう」ということです。

選考にあたっては、こちらから着眼点のアドバイスは一切しません。意識してもらうことはただ1つ、自分を中学校や高校の先生と仮定し、「この選考をもとに、今後6年間、受け持つクラスのクラス分けがされる」のだと想像しながらやってもらうということです(この方法は、中学や高校入試の試験官のシチュエーションを模しました。

私は、こうした先生方は本当にラッキーだと思っています。なぜなら想像ではなく実際に、採点を通じて教える生徒を選ぶことができるのですから!)。

さて、このような方法で選んでもらった結果、上位20位に選び出された英語エッセイには、大まかに下記のような5つの特徴が見られます。

【当塾で上位20位内に選ばれる英語エッセイの特徴】

  • 構成が簡潔で整っている
  • 綺麗な手書きで書かれている
  • 用紙すべてを埋め尽くしてある
  • 最初の2小節までに単純ミスがない
  • 内容の筋が通っている

そして、この後さらに「上位10位」までを選出してもらいますが、この段階になると非常に面白い結果が出てきます。各選出者によって評価するポイントが大きく異なってくるのです。例えば、何よりも文法を重視する人、批判的思考能力やその考えを裏付ける文献活用の有無を大切にする人、ユニークな視点や斬新なアイデアを尊重する人……、といった具合です。

帰国生入試の英語エッセイでよい点を取るには

では、帰国生入試で「よい得点が取れる英語エッセイ」とは、一体どのようなものなのでしょうか? 私は多くの生徒に次のようなアドバイスをしています。

「文法や句読点に細心の注意を払いつつ、簡潔に、綺麗に書くこと。読み手の印象に強く残るようなユニークな意見や文章構成力を身に付けるよう精進すること」

すべての試験官を手放しで喜ばせられる英語エッセイを書ける人はいないでしょう。ですが、これらに気を付けて書けていれば、第一選考で落とされることはないはずです。

また、もう1つ大切なアドバイスがあります。それは、帰国生入試の英語エッセイの試験は、次のことを見極める試験でもあるということです。

「英語エッセイは、試験官に受験者の英語の運用能力を判別させるだけでなく、性格やモノの見方、推論能力も伝える試験である。すなわち今後数年間を共にし、切磋琢磨するべき人物であるかどうかを見極める試験でもある」

 

お話を伺った方

チャールズ ・エム・ カヌーセン Charles M. Knudsen氏 帰国生向け英語塾「帰国子女アカデミー」校長

同塾創設者。国内有数の中高一貫校で英語アドバンストプログラムを立ち上げるなど、日本での帰国生教育は15年に渡る。英語学習テキスト『Stranger than Fiction』(南雲堂)などテキストや小説の執筆も。

 

 

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