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専門家に聞く・中学受験事情第4回「子どもとの関わり方」

日能研関東・関東中学情報部部長の長谷川信誓氏
「日能研関東・関東中学情報部」部長の長谷川信誓氏

習い事を一生懸命やった子どもは受験にも強い。
6年生以降は塾一本に絞る

日本の中学受験事情第4回目は、子どもとの関わり方についてお届けする。お話を伺ったのは、前回に引き続き、「日能研関東」関東中学情報部部長の長谷川信誓(はせがわのぶちか)氏だ。

中学受験を目指す小学校高学年の子どもたちの生活は忙しい。学校の授業が終わって帰宅するのは午後3時から4時頃だが、校外学習で帰宅時間が遅くなったり、学校行事の練習などで疲れ切って帰ってくることもある。その後、進学塾に通うのだ。

また、習い事をしているなら、塾通いとの両立は不可欠になる。勉強に集中させるために習い事をやめさせるべきか、やめさせるならどのタイミングがよいか、と考える保護者は多い。

「習い事については、受験勉強が本格化する6年生からは塾一本に絞るというお子さんが多いようです。習い事を一生懸命にやっていた子どもは、一つのことをやり抜く粘り強さを身に付けているため、試験にも強い傾向があります。また、志望校を決める際にも、学校のクラブや施設などで、今までやってきた習い事や自分の興味を生かせるポイントが見つかれば、勉強へのモチベーションに繋がります。ただ、なかには複数の習い事を一切やめずに塾にも通っていたため、受験勉強に本腰を入れるタイミングが遅くなり、志望校合格までに時間が足りなくなるケースもみられます。お子さんの負担や気持ちを考えて、よく話し合って決めることが必要でしょう」

家で勉強をみてやるときは、子ども自身に考えさせて

定期テストの結果などで、子どもの苦手なポイントを見つけると、自分で指導しようとする保護者は少なくないだろう。週末に、父親が子どもにテスト問題の見直しをさせて、アドバイスするという家庭もあるようだ。

「例えば、算数の応用問題の場合、大人であれば解説を読んで、『なるほど、そういうことか』と理解して、解説をもとに子どもに教えようとします。しかし、実はこれでは効果は上がりません。あくまでもお子さんが塾で教わったやり方で、お子さんのノートを見ながらアドバイスをすることが大切です。そうしないと子どもは混乱してしまいます。なぜなら、解き方はテキスト通りの一つのやり方に限定されるわけではないからです。自力のある子なら『もっと他の解き方があるかもしれない』と自分で考えさせたほうが、力の付くケースがあります。もちろん、問題の解き方をパターンとして覚えることで、伸びていくお子さんもいます。親御さんが教える場合は、お子さんのタイプを見極めた上で、教えることをお勧めします」

子どもが「塾を辞めたい」と言い出したら、やらせ過ぎが原因のことも

入塾当初は、楽しそうに通っていたが子どもが、突然、「塾を辞めたい」と言い出したり、勉強に集中できていない、といった問題が起こることもある。

「子どもが『塾を辞めたい』と言い出す理由は、『成績を上げなくてはいけない』というプレッシャーがかかっていることが考えられます。その場合は、お子さんの話をよく聞き、早めにケアをしてあげることが大切です。成績が上がらない原因は、実は『やらせ過ぎ』にあることが多いのです。その子にとって宿題や課題が多すぎて負担が大きければ、前向きになれないのは当然です。たとえば、国・算・理・社の4科目を受講している子であれば、国・算の2教科に減らして、少ない科目でも『自分の力でやり遂げている』という自信を持たせ、その後、慣れてきたところで4科目に戻すという方法もあります。
子どもによっては集団指導で伸びるケース、または個別指導で伸びるケースと様々です。お子さんがつまずいているのに気づいたら、どちらも早めに塾の先生に相談するのがよいでしょう」

子どもの頑張りを褒め、『受験する』という意識を親子で持つ

中学受験で悩みを抱えるのは、子どもだけではない。あまり遊ぶ暇がない子どもを不憫に思ったり、なかには、成績が思うように伸びないため、受験を断念しようかと悩み始める保護者もいる。
 
「親御さんの気持ちが揺らぎ始めるのは、受験勉強が本格化し、テスト結果などで実力がわかってくる5年生が多いようです。親が迷う気持ちを見せると、子どもにも伝わってしまいます。逆に、『絶対に受験させる』という親の意識は、子どものモチベーションに比例します。子どもの前では、決して迷う気持ちを見せないこと。また、子どもが一つの目標に向かって努力していることの意義を、保護者自身が意識することが大切です。そして、テストの結果だけを見ず、お子さんが日々頑張っていることを褒めてあげること。これが、お子さんの実力を伸ばすことに繋がります」

(取材/文:橘晶子)

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