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就職人気ランキング、10年前と今を比較すると?(後編)

昨日は、スカウト型就職サイト「あさがくナビ」を運営する株式会社学情が10年前と現在とを比較して発表した就職人気ランキングを2019年卒分までチェックした。本日は2020年卒以降のランキングを見てみよう。

調査概要【2023年調査(2025年卒対象)】

調査期間 2023年4月1日(土)~2023年10月31日(火)
調査機関 株式会社学情
調査対象 2025年3月卒業予定の全国大学3年生、大学院1年生・有効回答数:7715名
調査方法 (1)あさがくナビ登録学生へメールにて告知。Web上の入力フォームによる回収
(2)学情主催のイベント来場学生へのWeb入力フォームによるアンケート調査及び回収
回答方法 選択式(最大5社)

2020年卒以降、伊藤忠が6年連続首位

2016年卒~2019年卒はANAが4年連続首位だったが、2020年卒~2025年卒は6年連続で伊藤忠商事が首位を独占。それもすごいが、10年間ずっとトップ10に入り続けていることもすごい。トップ10に入る企業は毎年入れ替わるなか、伊藤忠商事は継続して学生からの人気を集め続けている。

味の素やアサヒ飲料など、「食品」も高い人気を誇る。特に味の素は10年連続には一歩及ばないが、2017年以降、9年連続でトップ10に入り続けている。

任天堂は、2021年卒で9位に入って以降、2022年卒6位、2023年卒5位、2024年卒2位、2025年卒4位とトップ10に入り続けている。講談社や集英社、大日本印刷もトップ10の常連となった。ゲームや電子コミック、動画など、デジタルコンテンツを提供する企業が、デジタルネイティブである学生から支持を集めていることが分かる。

消費のトレンド、仕事観によりランキング変動

株式会社学情の担当者は2016年卒~2020年卒の就職人気ランキングの推移について、次のように所感を述べる。

「就職人気企業ランキングは、成長する業界や話題を集める企業が支持を集める他、消費のトレンド、仕事観によっても、ランクインする企業が変化します。20代にとって『日常に欠かせないモノ・サービス』を提供する企業や、『キャリア形成』や『働き方』など職場としての魅力が高い企業が支持を集める傾向です。6年連続トップの伊藤忠商事は、2022年度決算で、エネルギー・化学品、食料、住生活、金属など多分野で大きく収益を伸ばしている他、午後8時以降の残業を原則禁止する『朝型勤務』など、働きやすさの充実を図っていることも人気につながったと言えます」

(取材・文/大友康子)