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ドイツとモザンビークで子育てした帰国母インタビュー<前編>

夫の海外赴任に家族で同行する場合、子どもたちの教育や進路をどうしたらよいのか、と悩む人も多い。そこで、海外から帰国した子育て中の人に、母としての体験談を語ってもらった。今回は、3年前にモザンビークから帰国して、現在はフレンズ帰国生母の会のスタッフとして活動しているF.Aさんの話を2回に分けて紹介する。

――モザンビークとは珍しいですね。海外滞在歴を教えてください。

F.A さん(以下、F):モザンビークはインド洋に面していて、世界でももっとも貧しい国といわれています。そこにビーチリゾート作るとかさまざまな計画はあるようですが、私たちがいたのは2014年から2017年までで、当時は何もなかったですね。それより前、2001年から2004年まではドイツにいました。夫の転勤が決まったとき、私は妊娠中でしたので、日本で出産してから長女が生後2か月のときにドイツへ行きました。2人目の子どもはドイツで産んで、その子が生後4か月くらいのときに帰国しました。だから、長女も次女もパスポートは赤ちゃんの写真でした(笑)。

モザンビークでは、日本の廃車であろうトラックがそのまま使われていました(F.Aさん)

――出産や育児に関して、ドイツと日本で何か違いを感じましたか?

F:日本はケアが手厚いですよね。母親学級に始まり、出産後も母乳指導、沐浴指導、食事指導などいろいろあって、入院中も忙しかった記憶がありますが、ドイツは何もなかったんですよ。朝に問診とベッドの上でできる体操の指導が少しあっただけで、何もすることがなかったのでずっと本を読んでいました。

――お子さまが乳幼児で手がかかるときをドイツで過ごされたわけですね。

F:日本人同士の小さなコミュニティーがありましたので、だいぶ助けてもらいました。最初は母も一緒に来てしばらく手伝ってくれたのですが、母が帰国してから気付いたことは、私が一人でベビーカーを押して移動していると街の人々が自然に手伝ってくれることです。ベビーカーは前任者が置いていってくれた現地仕様のタイヤの大きい重いものを使っていたので、路面電車に乗るところの段差などはとても一人では持ち上げられません。でも、必ず誰か助けてくれるんですよ。びっくりしました。

――モザンビークに行くときは、お子さまたちは中1と小5になっていたそうですが、現地に転校先の選択肢はあったのでしょうか。

F:なかったですね。学校はイギリス系のインターナショナルスクールとアメリカンスクールの2つがあって、その時々で受け入れ態勢が変わるんですよ。私たちが行ったときはアメリカンスクールは多分潤っていて、英語が十分にできる子しか受け入れません、ということだったので、うちの子どもたちはそもそも選択肢に入れられなかったんです。問題は、イギリス系のインターに空きがあるかどうかでした。なければ夫が単身赴任するしかないので。それで夫が出張で行ったときに入れるかどうか聞いてもらって、確保してきました。

こちらも日本の廃車のようです(F.Aさん)

――お子さまたちは英語の勉強をいつからされましたか?

F:夫の転勤が決まったのは、長女が小6の年末だったんです。中学受験の間際で、せっかく勉強もしたので受験はしました。事前に「万一、受かった場合、休学したら戻る道はありますか?」と問い合わせはしておきました。中高一貫の学校に合格したのですが、そこは復学の条件のひとつが7月のお泊り合宿までいることでしたので、それに参加してからモザンビークに行きました。そんなわけで受験勉強をしていたので、英語は特にやらせていませんでした。

――モザンビークのインターに入られてからのお子さまたちの様子は?

F:長女は中学部、次女は小学部でした。次女はまだ小5だったので、自然と新しい環境になじんでいましたね。それくらいの年齢ですと、言葉が通じなくてもみんなでわーっとボールを追いかけたりして遊ぶじゃないですか。でも、長女はおしゃべりを楽しむような年頃だったので、友だち関係は苦労していました。インターはブラジル人が多くて、休み時間にはポルトガル語が飛び交うんですよ。それでまた仲間に入りにくかったりとか。あと、たまたま次女の学年はいろいろな国のお子さんがいたので、共通言語が英語だったんです。でも、長女の年齢になるとボーディングスクールに入ったり帰国したりする人が増えて、生徒数が減るので、つらかったと思います。それでよく泣いてましたね。私は娘を見守ったり、ストレスのはけ口になるくらいしかできませんでしたが。

<後編>に続く

写真提供/F.Aさん
(取材・文/中山恵子)

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