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先輩からのメッセージ 帰国体験記|株式会社トモノカイ Personal Education部門 Global Section N・Oさん(26歳)

株式会社トモノカイ
Personal Education部門 Global Section
N・Oさん(26歳)

※2022年4月インタビュー当時

渡航歴

時期 場所 学校
0歳~14歳(中2) 日本 公立小学校→私立中学校
14歳(Y9)~18歳(Y12) ブラジル・サンパウロ インターナショナルスクール
18歳(大1)~現在 日本私立大学→社会人

慣れない環境下でIBに一所懸命に取り組んだ

 父親の転勤に帯同し、ブラジル・サンパウロで中学、高校生活を過ごしたN ・Oさん。地元ブラジル人の生徒も多く通うイギリス系のインターナショナルスクールで様々な体験を重ねつつ、国際バカロレア(IB)にも取り組んだ。現地ブラジルの公用語はポルトガル語だが、自宅では日本語、学校では英語という複雑な言語環境に苦労したという。

「学校には地元のブラジル人のほか、世界中から生徒が集まっていて、様々な言語が飛び交っていました。また幼い頃から一緒に学校生活を歩んできた人も多く、当初は孤独を感じながら英語の習得に励みました。振り返ってみれば、すべて自分のためになった苦労ではありますが、当時はそこまで考えが至らず、辛く感じたこともありました」 

15歳頃、家族旅行で行ったアマゾン川にて。ピラニアが釣れた瞬間!

 大学受験に際しては、インターネットで情報収集しながら志望校を絞り込んだ。国際交流の盛んな大学を探し、最終的に早稲田大学の文化構想学部へ。

「帰国生入試で受験しました。日本の受験対策に特化した勉強はあまりしていなくて、代わりにしっかりIBに取り組んでいました」

ブラジル人らしい生き方から大切なことを学ぶ

 ブラジルで学んだことは多い。中でも日本とは大きく違う価値観に影響を受けた。

「人生で大切にしているものが、日本とブラジルとで違うことに驚きました。日本人は責任を重視しますが、ブラジルでは家族が第一。とにかく毎日を楽しんで生活しています。それからブラジル人の持つ倫理観。困っている人を見たらフレンドリーに手を差し伸べること、友だちのように話しかけると──、これは日本ではあまり学べない態度です。また、ブラジルの人たちのポジティブさにも感銘を受けました。在学中、信じられないような話ですが、登山のイベントで下山できなくなり、一大事になったことが。しかし、周りの生徒も先生も、みんな取り乱したりしないで、歌いながら乗り切ったのです。日本だったらこうはいかなかったなと驚きました。こうしたブラジル人らしい生き方、考え方は、今でも自分の中で大事にしているものになっています」

 10代の約4年間を日本から遠く離れたブラジルで過ごしたが、日本の同世代たちとは、インターネットを通してつながりを保つことができていた。

「趣味のブログはブラジルにいる間、ずっと続けていました。現地での学校生活を発信して、興味を持ってくれた読者の中から新しいつながりもできました。帰国してからは、ブラジルでできた友だちとの交流にSNSが役立っています。卒業してからだいぶ年月が経ちましたが、今でもつながっていて、メッセージをやりとりしています」

現地での経験を、そのまま現在の仕事に活かして

 現在、社会人5年目。株式会社トモノカイでマーケティングに携わっている。担当しているのは海外子女向けオンライン家庭教師のEDUBAL、IB生のための大学検索サイトUniv-it! (ユニビット)など。自身の帰国生としての体験を仕事に活かしている。

「かつて自分がIB生として大学進学に向けて頑張っていた時は、情報が集約されているサイトがなくて苦労しました。知らないということは、選択肢がないということ。後輩には、『もっと情報があれば別の選択ができたかも……』といった後悔をしてほしくありません。そんな思いを、特にUniv-it!には込めています」

勤務先の(株)トモ ノカイでは、大学の3年間、長期インターンを経験。締め括りとして仕事を通して学んだことを発表した。

 帰国当時を振り返って思うことは、納得感を持って行動することの大切さだ。

「帰国後の進学はやはり気になるところでしたが、しかし人生は受験だけがゴールではありません。海外生活はいつでもできることではなく、ほかにない体験のできるまたとないチャンスです。受験勉強だけでなく、その場所、その時にしかできないことを大切にして、後悔しないよう過ごすことが大事なんだなと、今ひとしお感じています。心配しながらも広い心でサポートしてくれた両親にも、感謝が尽きません」

社会人2年目の夏に開催された、早稲田大学時代に所属したバンドサークルのOBOGライブでの様子。大好きなチャットモンチーをカバーした。

親への感謝

何事も押し付けず、私を信じて、主体性を尊重してくれました。悩んでいれば、さりげなく情報を提供してくれて、納得いく決断ができるよう、陰で支えてくれました。心配もかけましたが、ずっと見守ってくれた両親。帰国から8年が経った今、家族の食卓で当時を語らうひと時が、大切な時間になっています。