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子どもの自然体験に関する保護者の意識調査(後編)

昨日は、千株式会社の実施した「子どもの自然体験に関する保護者の意識調査」の結果を紹介した。さっそく今日も続きを見ていこう。

積極的な自然体験活動を園や学校選びの基準にしている保護者は約82%

園や学校での積極的な自然体験活動の実施が、園や学校選びの際に重要視するポイントになると思うかどうか質問したところ、「ややそう思う」(46.81%)が一番多く、「そう思う」(35.30%)が続き、82.11%の保護者が園や学校選びの際に重要視しているようだ。

園や学校で実施してほしい自然体験イベント1位は「動物に触れあう」、2位は「農業体験」

今後、園や学校で行ってほしい自然体験活動、または今後も継続してほしい自然体験活動について質問したところ、1位が「動物に触れあう」(56.83%)、2位が「農業体験」(56.41%)となり、3位の「森林の中で遊ぶ(施設なども含む)」(44.54%)も合わせると、保護者の多くが日常では経験させづらい体験を園や学校に期待していると言えそうだ。

一方で、4位・5位の回答に「公園で遊ぶ」(43.59%)、「虫取りや魚釣りなど」(39.59%)、があがったことから、普段の活動を継続することも保護者にとって重要な役割を果たしているようだ。

自然体験が子どもに与える影響とは?

以上の調査結果について、本調査を実施した千株式会社・広報の山口春世さん、関連事業ベジリンク創業者の塚田祥世さんにお話を伺うことができた。

「弊社では、これまで医師の先生や大学の先生の監修のもと、農作業が子どもの感性にどのような影響を与えるかなどの調査・研究も実施してきました。

それらの調査による脳波の変化から、自然体験を行うと「ストレス度が下がる」「ワクワク度が上がる」と認められる結果も出ています。

こうしたことから、自然の中での体験は、子どもの好奇心を刺激し、感性を豊かにするのではないかと私たちは考えています」

〝自然欠乏症候群〟を回避するためにも

〝自然欠乏症候群〟という言葉をご存知だろうか? ベジリンクの塚田さんが教えてくれた。

「欧米で提唱されている概念で、ものごとに集中できない、落ち着きがなくじっとしていられない、友だちとうまく遊べないという子どもが増えている背景に、自然との関わりが減っている子どもが増えているからではないかという考えです。

都会に住む方は、知らない間に健康トラブルを抱えていることもあるのではないかと思います。ぜひ意識的に自然に触れる体験を作っていきましょう」

こうした健康トラブルを避けるためにも、今回の調査結果をヒントに、これから迎える夏に向けて家族で自然体験について希望や要望など話す機会を設けられるといいかもしれない。

(取材・文/小野眞由子)