Press "Enter" to skip to content

現役大学生、生成AIを就活に使用するつもり?(後編)

昨日は、就転職市場のリアルを調査発信する「Job総研」が現役大学生男女を対象に実施した「生成AIの就活実態調査」の結果をチェック。大学生の生成AIの使用経験は現在のところ「お試し程度」だが、今後、約4割は「就活に生成AIを使用する」意向があり、9割以上が「生成AIが就活に役立つ」と思っている現状が判明した。

では、就活のどんなシーンで使用するつもりなのか? 本日も調査結果の続きを見ていこう。

約6割がエントリー作成に生成AIを使用意向

就活で”使用する派”と回答した134人に、具体的に何で使用するかを聞くと、「エントリーシートの作成」が59.7%で最多回答になり、次いで「自己PR文の作成」が50.7%、「情報収集」が46.3%、「業界研究」が43.3%、「面接対策」が26.1%、「その他」が7.5%だった。

また回答者全体の322人に就職後の仕事での使用意欲を聞くと、「とても使用すると思う」15.8%、「使用すると思う」28.9%、「どちらかといえば使用すると思う」28.0%を合算した、72.2%が”使用する派”を回答した。”

学生の6割「AIに代替されると思う職種を希望から外す」

回答者全体の322人に、AIに仕事を奪われるだろうと思う職種を聞くと、「事務系」が60.9%で最多回答になり、次いで「ライター系」が43.2%、「技術職(開発・エンジニア系)」が27.6%、「管理系」が27.6%、「コンサルタント系」20.5%で上位5つの回答結果になった。これらの”代替されると思う職種”が就活での職種選定にどのように影響するかを聞くと、「希望から外す」14.9%、「多分希望から外す」46.9%を合算した61.8%が”希望から外す派”を回答した。

8割が「AIの進化が人間の仕事を奪う」と意識

回答者全体の322人に生成AIに対する印象を聞くと「とてもポジティブ」24.7%、「ポジティブ」40.5%、「どちらかといえばポジティブ」28.8%を合算した94.0%が”ポジティブ派”の回答をした。

またAIの進化が人間の仕事を奪うと思うかを聞くと、「とても思う」13.4%、「思う」28.9%、「どちらかといえば思う」40.4%を合算した82.7%が”AIに人間の仕事を奪われると思う派”の回答をした。

生成AIに期待感と不安感

生成AIに対する意見を自由に述べてもらうと、ポジティブな意見とネガティブな意見、双方が多数みられた。

【ポジティブな意見】

  • 生成AIを使用する就活は当たり前になっていきそうだけど企業の対応も注目したい
  • 技術が発展すると同時に規制や取り決めをきちんと決める必要があると思う
  • 人間の仕事を奪う可能性を検して就活での企業選定や職業の志望が変わってきそう
  • 人口減少によって労働力不足が加速する日本においてAIの力は必ず必要になると思う
  • AIチャットによってなくなる職種もあれば、新たに作られる職種もあると思う
  • 試しに就活で必要な資料作成に使ってみたけど、クオリティが高いもので驚いた
  • 就活にAIを用いるのは企業側も同様だと思うので今後使っていきたい
  • Aiチャットを上手に使いこなすための知見を高めることで他者との差が出る時代
  • 優秀な人ほど、AIチャットを上手に活用しているように思える

【ネガティブな意見】

  • 使い方を間違えると自分の思考がなくなっていきそうでこわいです
  • AIが人間の仕事を奪うイメージが強いので職業選定は慎重にしていきたい
  • まだ的外れな回答も多いので信頼性に欠けるし、個人情報の観点に懸念がある
  • AIに就活で使用する資料を作らせても企業側にばれた時のリスクが大きい
  • 学校から使用制限が出されているが、個人の判断に依存するので制限には限界がある
  • 生成AIで文章作成して課題提出をしている人がいたが自分のためにならないと感じた
  • 就活のエントリーシートや志望動機、または自己PRなどをAIに任せるのは危険

AIを就活で使用することの是非が問われる

調査を行った株式会社ライボ経営企画室広報グループ長、兼、Job総研室長の堀雅一(ほり・まさかず)氏は調査結果を次のように総括する。

「91.4%が生成AIは就活に役立つと回答する一方、『今後就活で使用する』の回答は41.8%に留まりました。しかし今後さらにAIの発展や普及が進むことで、就活での使用率は増加すると推測できます。その裏付けとして、すでに就活で使用した目的では『エントリーシートの作成』や『自己PRの作成』が過半数で上位を占めていることからも見えてきます。前述した『就活に役立つ』事として、この2つは多くの学生の中でイメージしている傾向がみられ、72.7%が『就職後に仕事で使用する』と回答していること、さらに94.0%が生成AIに対して『ポジティブな印象』を持っているといった回答結果からも、今後就活でAIを使用する学生の数は増えると予測できます。そして、就活での『希望職種から外す』と61.8%が回答していることからも、今後の就活での職種選定に大きく影響してくることが予測されます。

職を持つ社会人に対してJob総研で過去に実施した『2023年 AIチャットの意識調査』でも、多くの社会人に影響が出てくることが予測される結果が出たことや、人間の仕事が奪われるといったイメージを強く持っていることなどを含め、今後さらにAIが発展することで、普及も広まりAIとの共存が当たり前の世界になっていくことも考えられます。そうした時代の転換機とも言えるタイミングで就活をする学生にとって、AIを就活で使用することの是非が問われ、採用する企業側でも対応の変化が問われていくことが推測できる調査結果になりました」

(取材・文/大友康子)