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私立大学に入学金納入時期延長を求める(前編)

大学生有志が3万7000筆の署名を文科省に提出

6月3日、日本全国の現役大学生たちが結成した会(入学金納入時期延長を求める学生有志の会)が、大学への入学金の納付時期の延長を求めるための署名や要望書を丹羽秀樹文部科学副大臣へ提出した。集まった署名は5月31日正午までのもので、実に3万7153筆だという。

大学には「入学金の支払い時期を合格決定直後の1~2月から入学直前の月末にずらすこと」を求める。そして国には「もし私立大学が入学しない学生から取る入学金なしで経営できないのであれば、国が高等教育への支出を増やすか、学生個人への支援を手厚くし、この現状を改善すること」を求める。

6月3日、署名と要望書を丹羽秀樹文部科学副大臣へ提出

入学しない大学に払う入学金は平均30万円

有志の会によると、日本の受験生は入学しない大学に入学金を平均で30万円も払っているという。

東京都内にある大学について、2021年度の受験における入学金の納入期限を調査したところ、私立大学では2月中に納入期限が来るケースが42%に上った。国公立大学など3月に合格発表がある大学を第一志望にした場合、実際には入学しないかもしれない第2・第3志望の大学を滑り止めとしてキープするには高額な入学金を払うしかないのだ。それが難しい受験生は、42%を選択肢から外す必要があり、選択肢が非常に狭まることになる。

署名の提出に先立ち、4月下旬に文部科学省で記者会見を行った際には、「入学しない大学には入学金を払わなくていいようにしてください! 貧しい家庭に生まれた人にも、挑戦の機会が平等に与えられるよう、仕組みを変えてください」というメインの主張を展開。さらに、「本当に苦しい人は、こんなふうに声をあげて記者会見をしたり、署名活動をしたりする時間もないんです。この時間もバイトしなければならないのですから」と問題を提起した。

明日も「入学納入時期延長を求める学生有志の会」の活動についてお伝えする。

(取材・文/大友康子)