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中学校の部活動と勉強に関する実態調査(前編):保護者が感じる部活動のメリット第1位は「人間関係が広がる」

株式会社栄光」(本社:東京都千代田区)が運営する進学塾「栄光ゼミナール」が「中学校の部活動と勉強に関する実態調査」を実施。その調査結果を公開している。

この調査は、中学1年生~高校3年生の子どもを持つ栄光モニター会員(栄光ゼミナール・栄光の個別ビザビ・大学受験ナビオに通塾する子どもの保護者)を対象に、2022年7月7日(木)~7月14日(木)にインターネット調査行ったもの。保護者236名から有効回答が得られた。

保護者の約4割が、部活動を選ぶ際に「新たなことにチャレンジできる」かを考慮

これによると、子どもの中学校の部活動の所属について、55.5%が「運動部」、36.4%が「文化部」に所属している・所属していたことが分かった。

さらに、子どもが中学校の部活動に所属している・していたと回答した保護者に、部活動を選ぶ際に保護者として気にかけたことを聞いたところ(複数回答方式)、最も割合が高かったのは「子どもが新たなことにチャレンジできる」(39.6%)で、次いで「子どもの能力・技能を生かせる」(34.1%)、「部活動が行われる日数・時間」(23.0%)と続いた。

また、「その他」では、「本人がやりたいかどうか」といった回答が多かった。

「協調性・チームワーク」や「礼儀」を学べるのも、部活動のメリット

保護者が感じている「子どもが中学校の部活動に所属していることのメリット」では、「子どもの人間関係が広がる」が47.5%と最も多く、次いで「子どもに協調性・チームワークが身に付く」が46.1%、「子どもが先生や先輩への礼儀を学ぶことができる」が41.0%だった。

技術的な面よりも、部活動というコミュニティ内での関係性やコミュニケーション等から得られるものを、部活動のメリットと感じている保護者が多いことが明らかになっている。

部活動のデメリット、4割弱の保護者が「特にない」と回答

保護者が感じている「子どもが中学校の部活動に所属していることのデメリット」では、「子どもの勉強時間が減る」と回答した保護者が41.5%と最も多かったものの、「特にない」と回答した保護者が次いで多く、36.9%だった。

勉強との両立面でデメリットを感じている保護者がいる一方、部活動に対して前向きな印象を持っている保護者も少なくないことが明らかとなっている。

2019年に行った同調査と比べて、部活動の活動日数は減少の傾向

中学校の部活動の活動日数の実態と、理想の活動日数について問う質問では、実態では「週4日程度」が最も多く29.5%、次いで「週3回程度」が22.1%、「週5回程度」が21.7%だった。

適切だと思う活動日数については、「週4回程度」が最も多く31.3%、次いで「週3回程度」が30.9%、「週5回程度」が19.8%だった。2019年に行った調査では、部活動の活動日数は「週5日程度」が29.3%と最も多かったが、今回の調査では「週4回程度」が最も多い結果となった。

また、中学生の保護者のみの回答と、高校生の保護者のみの回答を比較すると、中学生の保護者は「週4回程度」が最も多い一方、高校生の保護者が回答した、子どもが中学生の頃の活動日数は「週4回程度」と「週5回程度」が同割合だった。

長時間練習の是正、教員の働き方改革、新型コロナウイルスの感染拡大等を背景に、部活動の活動日数が減っているのではないかと考えられる。

後編の記事では、部活動と勉強を両立するための工夫など、調査協力者から寄せられた回答を紹介する。

(取材・文/松井さおり)