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就活生に朗報!「お祈りメール」が他社への推薦状に代わる(前編)

自社の最終面接まで進んだ学生を企業間で推薦し合う仕組みが確立

10月末に紹介した「就活用語ランキング」でも3位に入っていた「お祈り(メール)」。「今後のご活躍をお祈りしております」の一文から使われるようになった就活用語で、要は「不採用」ということで、非常に悔しいメールである。その悔しいメールが悔しいだけで終わらない画期的なサービスが登場した。

岡山大学理学部4年生の久保駿貴(くぼ・しゅんき)氏が起業した株式会社ABABA(アババ)が11月1日にリリースした、自社の最終面接まで進んだ学生を企業間で推薦しあうプラットフォーム 「ABABA」だ。

現役大学生の久保駿貴氏
お祈りメールが無駄にならなくなるサービスをリリースした現役大学生の久保駿貴氏

第一志望の憧れの企業も、お祈りメールで一気に嫌悪の対象に

開発のきっかけは、久保氏の友人の就職活動での経験。友人は就職を考え始めたときからずっと「俺はD社に行く。D社が大好きだ。一生を捧げる」と言っていた。実際、その企業の最終面接まで進むことができたのだが、残念ながらそこでお祈りメールをもらってしまった。その後、彼は飲み会などの席で「またイチからのスタートじゃねぇか。もう二度とD社が宣伝してる商品は買わねぇ」と暴言を吐きまくる。

なぜ「一生を捧げる」とまで言った企業のことをそこまで嫌いになってしまうかを考えてみたときに、現状の就職活動の「面接で落ちてしまうとそれっきり」という課題に気が付いたという。企業にとっても採用応募者とはいえ、カスタマーでもある学生からお祈りメールをきっかけに嫌悪されてしまうのはマイナスであるはずだ。

「就活」という名の、セーブポイントのないRPGに終止符を打つ!

現在の就活は、せっかく最終面接まで頑張って進んだのに、落ちてしまうとお祈りメールをもらってそれまでで、また他の企業の面接をイチから受けていく必要がある。いうなればRPG(ロールプレイングゲーム)をセーブできずに進めるようなもの。一度でも負けたらまたファースト・ステージからなのだ。

ABABAはこの流れを非効率と捉え、就職活動の世界に「セーブポイント」を作り、そこまでの頑張りを評価してもらえるようなシステムを作ることにしたのだという。

明日は実際のABABAサービスの概要を見ていこう。

(取材・文/大友康子)