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海外ボランティアで成長した? 将来に役立つ?(後編)

海外ボランティアに参加することは成長につながるのか? 日本全国の海外ボランティア経験者の男女を対象に、「ディーサイド留学情報センター」(商号:株式会社アットワールド)がアンケート調査を行った。(前編)の続き。

「社会人生活の役に立った」は8割以上

ここまでに紹介した調査結果から、海外ボランティアを通じて成長できたと感じている人が8割以上であることがわかった。さらに、「Q.帰国後の社会人生活の役に立ったか」という質問には、「とても役に立った」が41.6%、「少し役に立った」が43.8%で、こちらも8割以上の人が役立ったと回答をしている。

その具体的な理由は、以下の通り。

  • まだ仕事では直接的に作用していないが、今後海外の仕事を任されるようになった時に大いに役にたつと考えられるため(20代/女性/大阪府)
  • いろんな環境があることがわかったから(30代/女性/兵庫県)
  • 自分は恵まれているなと感じられたから(30代/女性/愛知県)
  • 何事にも動じなくなった(40代/男性/山口県)
  • 人に優しくなれた(40代/女性/愛知県)

語学力よりコミュニケーション能力

「Q.海外ボランティアで身につけて、社会人生活で活きたスキル(上位3つまで選択可)」という質問には、「コミュニケーション能力(57.3%)」という回答が最も多く、「異文化適応能力(46.5%)」』「語学力(36.6%)」と続いた。

言葉の通じない海外にいたからこそ身についたコミュニケーション能力や異文化適応能力が、社会人生活で活きたスキルと感じている人が多いようだ。

幸せの定義や価値観を考えさせられる体験に

今回調査を行った「ディーサイド留学情報センター」は、留学希望者が主体的に考えて質の高い留学ができるように導くコーチング型の留学サービス『ジブン流学』を提供している企業だ。調査結果を受けて、同社の留学カウンセラー、佐々木忍(ささき・しのぶ)氏に話を伺った。

海外ボランティア経験者の8割以上がポジティブな回答をしていることから、有意義な体験であることがよくわかったが、一方で少数ながら「人間的な成長にはあまり繋がらなかった」「帰国後の社会人生活のあまり役立たなかった」と答えている人もいるが、それはどのような理由からなのか。

「ネガティブな回答をされた方の中には、参加した国の文化や社会問題、環境を十分に体感できていない方が多いようです。東南アジアで開催されるボランティア国は、日本とは180度異なる発展途上国でインフラから生活水準は全く違います。ボランティア国の生活水準を知ることで“幸せの定義”や“価値観”を考え直させられるので人間的な成長に繋がりますし、帰国後に日本の生活が当たり前ではないことに感謝できることで社会人生活にも活かせると思います。もちろん人によって感受性は異なりますが、何かしらの形で成長や今後の人生に役立つと私は信じています」

短期間だからこそ“大変な経験”も大事

「大変だったこと」としては食事や言葉の問題が挙げられているが、それも含めて価値ある体験だったとも考えられる。

「弊社が紹介する海外ボランティアは、基本的に日本人が0で、参加者の多くが欧米人であるため、語学力で苦労されたり、アジア人が少ないがゆえに肩身が狭く感じられる方もたまにいらっしゃいます。良くも悪くも逃げ場がないので自分を積極的に表現していかないと孤立してしまうんですよね。またインフラ面や部屋が1部屋4~6人で日本との生活ギャップに苦労される方も多いです。ただ、数週間という短期間だからこそ“大変な経験”をすべきだと私は思います。つらい、大変、という環境の中で悩み考えることも成長につながるのではないでしょうか」

最後に佐々木氏にあらためて海外ボランティアの魅力を尋ねた。

「弊社の海外ボランティアはグループではなく個人で参加していただくので、自力本願で行動しなければなりません。人によっては不安や懸念を感じるかもしれませんが、今後求められるグローバリゼーションに対応できる経験や体験することができます。また、日本人が0という環境で生活していくことで主体性や自律性なども身につけることができます。現在は、語学を学ぶために留学される方だけでなく、経験や体験を重視される方も増えてきているので、弊社では留学でしかできない経験や体験を通じてお客様の人生に活かせるようなプランやサポートを提供していきたいと考えております。将来に活かせるスキルを身につけたい、人として成長したいと思う方は、海外ボランティアに参加してみてはいかがでしょうか」

調査概要:「海外ボランティアで成長したこと」に関する調査

調査期間 2023年4月13日(木)~2023年4月14日(金)
調査方法 インターネット調査
調査人数 1,008人
調査対象 全国の海外ボランティア経験者の男女
(※ディーサイド留学情報センターの利用者に限らず、無関係で海外ボランティアに参加した人も含む)
モニター提供元 ゼネラルリサーチ