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日本の公立高校でもオンライン学校紹介の試みが増加中

今後は生徒による動画編集を授業に取り入れる考えも

中学3年生にとって、夏から秋にかけては、高校の学校説明会に参加をして志望校を固めていく時期だ。ただ、今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて、日本全国の公立高校の多くで学校説明会の開催を見合わせたり、規模を縮小したりしている。こうした中、いちはやくオンライン学校紹介動画を公開したのが、愛知県立杏和(きょうわ)高等学校だ。私立校やインターナショナルスクールではインターネットを使って学校のPRをすることも少なくないが、予算に限りのある公立高校では珍しい取り組みといえる。

同校では臨時休校期間を利用して、教職員らが試行錯誤しながら5分前後の動画を撮影。校長から中学生に向けてのメッセ―ジ、同校の授業の概要や行事など、9本を用意した。動画制作を担当した同校教務主任の田中克佳(たなか・かつよし)教諭によると、「例年は4回の学校説明会を行っていますが、実施が危ぶまれたため、YouTubeに学校紹介の動画を限定公開することに決めました。本校職員や生徒からは、“総合学科の仕組みは複雑だけれど、動画だとわかりやすかった”、“短編だから見やすい”などの感想が出ています」という。同校は6月中旬に、近隣の中学校計52校にQRコードを送付、中学生とその保護者が視聴できる環境を提供した。

その後、6月下旬に学校が再開。学校説明会の実施も決まったが、人数を制限するなど規模を縮小せざるを得ないため、参加できない中学3年生にとって動画の公開は大いに役立つだろう。動画の製作は来年以降も続ける意向といい、「本校ではこれまでも『情報の表現と管理』という科目の中で、学校紹介ビデオの製作やLINEスタンプの製作など特色ある授業を実施しています。それを発展させる形で、生徒も一緒に学校紹介動画を制作することも考えています。動画の編集やメディア表現、肖像権への配慮なども学べるのではないかと期待しています」(田中先生)。

県内すべの公立高校でオンライン学校説明会を開始

こうした取り組みは他の公立高校でも始まっていて、群馬県では県内の全公立高校が7月末までにオンライン学校説明会を開始する。群馬県教育委員会事務局高校教育課の原美智子(はら・みちこ)氏は、「夏休みが短縮されることもあり、例年通りの実施は難しいことから、県教委で決定しました。各校の特色を紹介するスライドや動画など、内容は各校で異なりますが、県内の全公立高校が一斉に行うことで、中学3年生は志望校を選ぶ際に比較・検討しやすくなると思います」と話す。

他の都道府県にも、独自にオンライン学校紹介や部活動紹介を行っている公立高校が増えつつある。コロナ禍における新たな取り組みが始まっている。

写真提供/愛知県立杏和高等学校
(取材・文/中山恵子)

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