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オンライン絵本朗読、対話にこだわる配信者の思い(前編)

テーマソングはタニケン先生が担当

月曜日から金曜日の夜8時30分~9時15分まで、主に子どもたちの視聴者に向けて、対話形式で絵本を読み聞かせする「おやすみえほん」を無料で生配信しているのが、オンラインスクール「STAR LAB」を運営しているバリー・アレン株式会社だ。歌手、俳優、ナレーター、保育士、映像プロデューサーなど第一線で活躍をするメンバーが、毎夜1名、生配信を担当。その中には、かつて放送されていたEテレの人気番組「フックブックロー」に出演していた歌手の谷本賢一郎(たにもと・けんいちろう)氏もいて、谷本氏=タニケン先生自ら作詞作曲を手掛けたテーマソング「おやすみえほんのテーマ」も歌っている。

主題歌を歌い、朗読してくれるタニケン先生(谷本賢一郎氏)

対話形式にこだわりZoomを使って生配信

同サービスの特長は、朗読した映像を流すだけといった一方通行の配信ではなく、読み手と聞き手が絵本を通じてコミュニケーションをとれるように工夫をした生配信を行っていること。Zoomを使い、読み手は画面の向こうにいる視聴者に目線を送りながら朗読をする。視聴者は、Zoomに入室時に子どもの名前を入力し、音声ミュートと自分のカメラのオンオフを設定。カメラをオンにすると読み手には姿が見えるが、他の視聴者からは見えない。また、絵本の朗読時には聞き手は音声をミュートにして聞くことに徹し、フリートーク時にはオンにして会話に参加することもできる。また、カメラもマイクもオフにして、ラジオを聴くように楽しむこともできるという。

動画配信時の様子

3人の育児に奮闘する父がプロデュース

対話も“ながら聴き”もOKという自由度の高さも魅力だが、なぜ平日毎晩の生配信という労力のかかるサービスを始めたのか、また、子どもたちがオンライン上の読み聞かせをどのように楽しんでいるのか、バリー・アレンの代表を務める猪瀬広行(いのせ・ひろゆき)氏に話を聞いた。

「弊社のメインの事業は企業の広告などの動画制作や配信事業ですが、昨年の夏に子ども向けに幼児バレエなどのオンラインスクールを始めました。というのも、我が家には中学生と小学生と2歳の3人の子どもがいて、妻も働いているのですが、本当に日々大変なんです。特に小学校受験をしていたときは、上の子の勉強や習い事もあり、下の子はまだ1歳でしたから手がかかり、夫婦で育児を手分けしても回らない。そこで、習い事をオンラインにすれば送迎の時間を短縮できるな、と思ったのです。同時に、親たちにもリフレッシュしてもらうための大人向けのダンスやヨガのレッスンも企画しました。その流れで、子どもに読み聞かせの力をつけるために絵本の朗読というコンテンツを考えたのですが、実際に始めてみたら、寝る前のひとときに配信をして、寝かしつけに気軽に利用してもらうのがいいだろう、と思い、今の形になりました」

バリー・アレン株式会社代表の猪瀬広行氏

育児に奮闘する中で生まれた企画だが、幸運なことに、プロの歌手も参加をしてくれることになった。

「たまたまスタッフに谷本賢一郎さんと知り合いの方がいて、お話をしたら快諾してくださいました。タニケンさん以外にも俳優や保育士の方々が参加してくださっていますが、それぞれ読み方やトークに特徴があって面白いですよ」

猪瀬氏自身も「オッキーノ先生」として、毎週1回、朗読を担当している。配信の裏側や、視聴している子どもたちの様子などは、明日掲載の(後編)にて紹介する。

■コンテンツ名:オンラインスクール STAR LAB(スター・ラボ) 内「おやすみえほん
■おやすみえほん告知動画

(取材・文/中山恵子)