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インターナショナルスクールのSaturday School

インターのサタデースクールってどんなところ?帰国生にも向いている?専門家に話を伺いました。

目的・対象

日本のインターナショナルスクール(以下、インター)が行っているサタデースクールをご存知だろうか? 土曜限定のスクールで、その多くは4月に始まり3月に終業、場所はインターの施設を用いる。次年度の申し込みは、毎年秋~冬にかけて、受け付け開始となるのが一般的だ。そして人気のあるスクールは受付開始後すぐに定員一杯となることもある。

ただ、すべてのインターが開校しているわけではないので、詳細はあまり知られていない。そこで、サタデースクールとは何なのか、国際教育評論家でインターに詳しい村田学氏に聞いた。まずは、どんな子どもたちが通っているのかについて。受け入れの対象年齢は、5歳程度から小学6年生までが一般的だ。

「実際には、5歳程度から小学校中学年までの子どもが多く通っているようです。高学年になると、中学受験などに向けて日本の学習塾に行く子どもが増えるからです。通う目的ですが、『英語力を育むこと』、『英語圏の文化にふれること』、『探求的な学習をすること』などが大きなもの。例えば、日本国内のインター幼稚園や英語圏の幼稚園の卒園生で公立小学校に進学した子どもが、英語力を維持するために通うケースや、日本の保育園や幼稚園を卒園した子どもでも早くから英語に慣れ親しんでおくために通っているケースなどが見受けられます」(村田氏)。

カリキュラム

カリキュラムはスクールごとに異なるが、「イングリッシュ」、「PE(身体教育)」、「サイエンス」、「算数(数学)」、「コンピューター」、「アート」、「ミュージック」などの授業があり、オールイングリッシュで行われる。

クラスは、年齢と英語力で分けられているスクールが多い。

「主要教科を交えながら幅広く学ぶスクール、サイエンス系の授業に力を入れているスクール、アウトドアの活動が豊富なスクールなど、それぞれに特色があります。英語力を伸ばすためだけなら英語塾の方が効果的な場合もありますが、英語学習に限らず幅広い様々なプログラムを外国人の先生に英語で教わることができる、世界を感じながら学ぶことができる、という点がサタデースクールの大きな魅力です」(村田氏)。
 

授業時間は、9時~15時頃までのところが一般的。最近は、もう少し遅い18時ぐらいまでのロングコースを設けているところもある。

費用

入学金が数万円、教材費が1万円前後。授業料は年間25万円~50万ほどとスクールによって幅広い。スクールバスが出ているケースは少ないものの、出ている場合、利用者はバス代も負担。ランチは各自でお弁当を持参するところが多い。

帰国生にとってのメリット

  • 英語力の保持・向上に役立つ
    特に低年齢で帰国し、公立小通いなどで英語にふれる機会が少なくなっている子どもの英語力の保持・向上に役立つ。「再び海外転勤する可能性があるなら、保険的に子どもをサタデースクールに通わせておくのもよいアイデアだと思います」(村田氏)。
  • 日本のインターを知ることができる
    帰国後の進学先として、どのインターにするかで迷う人もいるだろう。進学先の候補にしているインターのサタデースクールに申し込めば、そのインターの雰囲気を直に知ることができる。
  • 心のサプリメントになりえる
    帰国生にとって、サタデースクールは居心地のよい場となりえる。「英語でのコミュニケーションや英語圏の文化に慣れている子どもにとって、帰国後の日本語中心の環境は少なからずストレスです。そのため週1日でもスクールに通い、英語イマージョンの環境に身を置き、同じようなバックグラウンドだったり英語や世界に興味を持っていたりする友だちと交流することは、息抜きにもなりえるでしょう」(村田氏)。

インターナショナルスクールについてもっと知りたい方はコチラ

お話を伺った方

国際教育評論家
村田学(むらた・まなぶ)氏

国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了した国際教育評論家で、プリスクール元経営者、幼小中インターナショナルスクールの共同オーナー。ウェブサイト「インターナショナルスクールスクールタイムズ」の編集長。アメリカで生まれ、6歳で帰国して英語力を丸ごと失った、という苦い経験を現職に活かしている。