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「金融教育に望むもの」世帯年収により差異(後編)

年収800~1000万円世帯は意外に金融教育への関心低い

昨日は、オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」を運営する株式会社トレジャープロモート(東京都千代田区)が実施した「高校の金融教育に望むもの調査」の結果をチェック。世帯年収1000万円以上の人は、1000万円未満の人よりも金融教育への関心が高いことが分かった。

しかし、世帯年収に比例して関心が高まるのかというと、そうでもないようだ。世帯年収が800~1000万円では、他のどんな年収層よりも関心が下がる項目が多数あった。

「世帯年収800~1000万円」の回答者の職業を見てみると、他の年収層と比べて、ふたつの特徴があった。ひとつは、契約社員も含めた「会社員」の割合が53%で、他よりも高くなっている(全体では 41%)。もうひとつは、専業主婦の割合が 22%で、こちらも他の世帯年収よりも高い数値である(全体では 16%)。

2019年に厚生労働省が実施した「国民生活基礎調査」によると、日本の 1 世帯あたりの所得金額の中央値は 437万円。そのため世帯年収800~1000万円の回答者は、比較的裕福な世帯とされる。しかしながら、この世帯で金融教育への関心が低いのは、投資や生涯設計よりも、「会社員として成功するにはどうすれば良いか?」「より高い給料を得るにはどうすれば良いか?」といった点を重要視する傾向があるからではないかと推測されるという。

「年収1000万円」の壁を突き破るために必要なのは?

株式会社トレジャープロモートの調査担当者は「多くの人が得たい年収としてあげる1000万円。今回の調査結果から見えてきたのは、その壁を突破する人とそうでない人の違いのひとつとして、投資や金融への関心の向け方があるのかもしれません」と語る。

「生涯設計、ライフプラン」「資産運用の必要性」に関心を向けていきたいものだ。

(取材・文/大友康子)