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運動が苦手な子どもに体を動かす楽しさを感じてもらいたい!

インドア派の子どもも楽しめる運動遊びプログラム「JUMP-JAM」

今、世界的に子どもたちの運動不足や運動能力の低下が危惧されている。そうした中、さまざまな団体や企業が取り組みを行っているが、そのひとつが日本の子どもたちの運動状況を考慮して開発された「JUMP-JAM(ジャンジャン)」だ。JUMP-JAMは、日本全国の児童館の支援を行っている児童健全育成推進財団とスポーツ用品メーカーのナイキがパートナーを組み、千葉工業大学創造工学部体育教室の引原有輝(ひきはら・ゆうき)教授監修のもとで開発した運動遊びプログラム。2017年12月から東京都内の児童館10カ所でスタートし、現在は都内72館で実施、不定期に児童館以外の場所で体験イベントも行っている。

このプログラムの大きな特徴は、体を動かすことがあまり好きではない子どもたちを主な対象としているところだ。児童健全育成推進財団・総務部部長の阿南健太郎(あなん・けんたろう)氏は、プログラム開発の経緯や目的についてこう話す。

「児童館のスタッフから『昔に比べて子どもたちが転びやすくなった』、『転倒して頭や顔にケガをする子が増えた』などといった声を聞いていました。子どもの運動不足や運動能力の低下を実際に感じてはいたものの、どうしたらよいかと考えていたとき、ナイキさんから声をかけていただき、運動遊びプログラムを一緒に開発することになりました。児童館には赤ちゃんから18歳までの子どもが集まりますが、その中には“運動は苦手”、“スポーツは嫌い”といった子どもも多くいます。私どもとしては、『外遊びしよう』『ドッジボールしよう』と声をかけても部屋の中でずっとマンガを読んでいるような子どもたちに体を動かすことを楽しんでほしい、という思いがありましたので、ゲームのようなプログラムを提供することにしたのです」

ルールも勝敗もなし。遊びながら身体能力や対人スキルなどを育める

実際にJUMP-JAMのプログラムをみると、じゃんけんやしっぽとり、鬼ごっこをアレンジしたものなど、スポーツというより、昔ながらの遊びに近いものが多い。現在は50種のゲームがあり、指導者用のガイドラインには、遊び方、運動レベル(3段階)、対象年齢、このゲームで培われる能力などがまとめられている。ただ、この通りでないといけないわけではなく、子どもたちの人数や年齢などによって、自由にアレンジしてよいという。

「スポーツではないので厳格なルールもありませんし、勝ち負けも決めません。遊んでいるうちに、子どもたちの中から“今度はこういう風にしてみたい”という提案があればそれを取り入れてみるなど、自主性を尊重しています。プログラム全体にいえることは、運動能力だけでなく、提案の仕方や仲間とのかかわり方なども身に付けられるように工夫していることです。また、できるだけ現場では、『運動しよう』とは言わないようにしています。『JUMP-JAMやろう!』と言って、みんなでゲームをしていたらいつの間にか体を動かしていた、という状況をつくっています」(阿南氏)

子どもの運動不足やそれに伴う肥満は、将来的に生活習慣病の発症につながったり、寿命を縮めるともいわれている。だからこそ、子どもたちに体を動かす楽しさを感じてもらうことが大切だ。次回(2月21日掲載予定)は、JUMP-JAMの実際の様子や家族や友だちと自宅でできるゲームを紹介する。

写真1枚目:児童館にてJUMP-JAMで遊ぶ子どもたち。2枚目:児童館職員向けトレーニングの様子。
提供/児童健全育成推進財団

(取材・文/中山恵子)

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