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2023年春|中学入試速報! 関西&中国エリア

新型コロナウィルス感染症による行動制限もなく、感染者数も減少傾向にある中で行われた2023年の入試。受験者数で過去最多を記録する都道府県が続出し、都や県、府をまたいだ受験者数もほぼコロナ禍前の水準に戻りました。第一志望校に果敢に挑む「攻めの受験」も復活。希望が見える受験となりました。

関西&中国エリア(大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県・岡山県・広島県)

近畿2府4県の中学受験率が急上昇

近畿2府4県(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県)の私立中学の受験者数は17,279人(昨年度16,892人)となり、昨年度から387人増加した。また、近畿2府4県の中学受験率(=統一入試開始日の午前の受験者数÷近畿2府4県の小6児童数)は10.01%(昨年度は9.74%)となり、実に14年ぶりの10%台へと上昇した。

受験者数が急増した要因

昨今の新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う社会情勢への対応や、オンライン学習など教育環境の充実を求める声が高まったことなどが、私学教育への期待につながり、受験者数が急増したと考えられる。今年の受験生は新型コロナウィルス感染症による学校の休講措置が初めてとられた時の小学4年生で、そういった期待をうけた最初の学年にあたる。

総志願者数は4年連続で増加

受験者数の増加に伴って、総志願者数も62,264人で昨年度より614人増加した。これにより、1人あたりの平均出願数が3.64となった。これは、午後入試が定着するなか、人気校の午後入試への参入が増えたことが影響していると思われる。初日から2日間で3回以上受験しているケースが多く、出願数が増えても短期決戦であることは変わっていない。

「安全志向」から「強気」へ

関西圏の2023年入試は昨年度の「安全志向」から一転、積極的に第一志望校にチャレンジする動きが回復した(昨年度は灘、甲南学院、大阪聖光学院、神戸女学院、四天王寺などで減少)。灘が93人増加したほか、東大寺学園が63人増加、甲陽学院が37人増加、神戸女学院が25人増加、洛南高校附属が108人増加となり、難関校の多くで志願者数の増加が目立つ入試となった。

灘中入試はコロナ禍前の状況に

毎年全国から受験生が集まる灘の入試は昨年度より志願者数が93人増加し、745人となった。関西圏では大阪・兵庫で大きく志願者数が増加したが、その他では減少したので、38人の増加にとどまった。首都圏からの出願は、昨年に続き増加傾向で今年はさらに17人増加した。全国的な増加傾向が見られた灘中入試はコロナ前の状況に戻り、入試もやや難化した。

府県またぎの受験が復活

新型コロナウィルス感染症の影響で、近年は「府県またぎ」の受験が減少していた。特に兵庫県から大阪府や奈良県方面の受験が減少し、県内に留まる傾向が強くなっていた。2023年入試では、大阪府や兵庫県からの受験生が多い奈良県の帝塚山などで志願者数が増え、自宅からのアクセスよりも学校の持つ魅力を優先した従来の受験に戻った。

大学付属校人気に変化

大学付属校の人気は依然にして高い状況にあるが、2023年入試では、その人気が関関同立系に集中する結果となった。関関同立の付属校では志願者数が増加したが、ほぼその増加分にあたる数だけ産近甲龍の付属校の志願者数が減少した。関関同立系の中で志願者が減少した関西学院と同志社香里は近年の難化が影響したとみられている。

新型入試に目立った動きなし

近年増加傾向であった新しいタイプ(プレゼンテーション・プログラミングなど)の入試は、昨年度の金蘭千里の中期入試で実施された得意科目選択入試(国語または算数)が話題になったが、多くの学校への広がりは見られなかった。その一方で、増加傾向が続いている「英語資格加点措置」をとる学校は昨年度からさらに増加して59校での採用となった。

制作協力/日能研関東、日能研関西、日能研東海
日能研HP:https://www.nichinoken.co.jp/