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英語は教科ではなく、「生きた言語」。 ― 前編 ―

学ぶ過程を楽しみながら自信をつけ、成長していく生徒たちを全力でサポートしたい

2004年の開校以来、帰国生や英語学習者の学びを成功へと導き、帰国生入試で高い実績をあげてきた帰国子女アカデミー。英語を教科ではなく、「生きている言語」としてとらえ、生徒たちの豊かな知識と創造性を養う教育を実践しています。代表のチャールズ・カヌーセン氏にお話をうかがいました。

日本での教員経験から帰国生塾の必要性を実感

―帰国子女アカデミー(以下、KA)開校までの経緯を教えてください。

以前は、渋谷教育学園渋谷中学高等学校に勤務し、帰国生の授業のほか、入学試験の問題作成および面接を担当していました。面接ではたくさんの素晴らしい生徒たちと出会いましたが、募集定員の都合上、不合格にせざるを得ない生徒がいることが残念でなりませんでした。そんな時、アフタースクールの必要性を感じたのです。

当時は帰国生のアフタースクールはほとんどなかったため、英語だけを話す環境でアカデミックな英語力を習得できる場所をつくりたいと考えました。

開校当初は中高生が集まる塾をイメージしていましたが、実際に集まったのは、中学受験で難関校を目指す小学生がほとんどでした。初年度から良い結果を残し、二年目もさらに実績をあげたことで、次第に生徒が増え、現在に至ります。

以前は「英会話ができれば十分で、さらに勉強する必要はない」と思われがちでしたが、最近は、よりアカデミックな英語力、世界で通用する英語力が求められています。もし、小学四年生で帰国をしたら、四年生レベルの英語力をキープすればよいわけではなく、中学生になる頃には中学生レベルの英語力をしっかり身に付けるべき、と私は考えています。

―現在、KAにはどのような生徒が通っていますか?

大半は帰国生ですが、インターナショナルスクール生やバイカルチュラル(両親のどちらかが英語のネイティブスピーカー)の生徒のほか、ここ数年はプリスクールで英語を身につけた小学生も増えています。

幼稚園年中から高校三年生までを対象としていますが、現在は、生徒の七割が小学生で、中学受験を目指す三~六年生中心です。

残りは中高生で、なかには国内外の大学受験を目指している生徒もいます。その多くは、学校に帰国生クラスがなくて、レベルの高い英語を学ぶ環境がないため KAのクラスを受講しています。

学習目標と学びの過程を意識させながら限界を作らないように導く

―KAはどんな目標や価値観を伝えていますか?

英語は教科ではなく、「生きている言語」です。生徒たちには、そのことをしっかりと感じとり、学ぶ過程を楽しみながら、自信をつけていってもらいたいと思っています。KAでは学びのマイルストーンを大切にしています。「Visible Learning (可視化した学び)」のメソッドで学習目標を明確にし、生徒自身が学びの過程一つひとつを認識し、分析することを教えています。

また、学習面だけでなく、精神面にもフォーカスし、「Growth Mindset(自分の才能や能力は、努力によって向上できる)」という考え方も教えています。メンタルコーチングの要素も取り入れ、生徒が自分の限界を決めてしまわないよう、導くことも重視しています。

楽しみながら学ぶことで英語力保持につなげる

―帰国生が興味を失うことなく、英語を学習し続けるために必要なこととは?

子どもたちが英語の興味を失わないようにするには、保護者のサポートも大切です。とはいえ、子ども自身が楽しまなければ、学習の継続は難しいので、常に難しい文学などを読ませようとする必要はありません。

KAではYouTubeチャンネルの紹介もしています。最近では、教育的な内容のものも多いので、活用できるでしょう。

また、小学校低学生であれば、受験まで時間がありますから、それまでに英語に対するモチベーションを保持させることが大切です。勉強だけに限らず、英語で開催されるスポーツやキャンプなど、屋外で自然に英語が身に付くアクティビティを薦めています。

―KAはどんな入試サポートを行っていますか?

コアクラスで基本をカバーし、その他にスキル別クラスを多数開設しています。また、「KAAT Test(KAオリジナルテスト)」で長年蓄積したデータをもとにアドバイスを行っています。

帰国生受験は、学校によって出題傾向が大きく異なります。『KA Plus!』*を活用し、生徒一人ひとりのニーズに合わせた入試対策を取ることも可能です。

帰国生は、国内で育った子どものように日本の受験を意識していません。帰国後すぐに、受験に巻き込まれることはストレスが大きいため、メンタルヘルスに配慮することも不可欠です。

KAはこうした帰国生の状況やニーズをふまえ、受験をトータルでサポートするため、新たに国語・算数のプログラム『Compass Learning』をスタートします。

大切な成長の過程で、大きな環境の変化を経験する帰国生たちの受験への道のりを、私たちは責任を持って併走し全力で支援します。

*KA Plus!…ネイティブレベルの英語力をキープするための定額制のオンラインライブレッスン(サブスクリプション)で、英語クラスのNetflixのようなイメージです。

本誌では掲載していない後編はこちら
英語は教科ではなく「生きた言語」。― 後編 ―

お話をお伺いした方

チャールズ・カヌーセン

帰国子女アカデミー
CEO チャールズ・カヌーセン氏

アメリカ、シアトル出身。
渋谷教育学園渋谷等での教員を経て、2004年に帰国生・バイリンガル生等に向けた英語塾「帰国子女アカデミー」を開設。KAISインターナショナルスクールの創立者でもある。著書に『Welcome Home 帰国生を持つ家庭向け指南書』大学向け英語教材『Stranger than Fiction』などがある。

<Campus>
都立大学・明大前・下北沢・吉祥寺・たまプラーザ・目黒・三田・西船橋・船橋・通信コース