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11月後半時点の就職意識調査(後編):インターンシップ等の参加経験者はすでに9割以上

2024年卒学生の就職戦線の見方や就活準備状況は、先輩たちに比べてどのように変化しているのだろうか。『株式会社ディスコ』(本社:東京都文京区)が就職サイト「キャリタス就活」の学生モニターを対象に、11月後半時点での就職意識および就職活動の準備状況などを尋ねた。同時期に実施した過去の調査結果とも比較しながら、その特徴を分析している。

11月までの就活準備は「自己分析」83.2%、「業界研究」76.1%

就職活動の準備として行ったことを尋ねたところ、最も多いのは「自己分析」で83.2%。次いで「業界研究」(76.1%)、「企業研究」(75.3%)が7割台後半で続き、着実に就活準備を進めていることがうかがえる。ただし、前年同期調査と比較すると、全体的にポイントが減少しており、これから準備を進めていきたい学生も少なくないと見られる。

就職情報会社などが主催する就活準備イベント(インターンシップイベント、業界研究イベントなど)への参加状況を見ると、全体の9割強(94.6%)が「オンライン形式」への参加経験を持つ。「会場型」は6割超で、前年より大幅に増えた(52.9%→62.5%)。「会場型」は、参加回数も増加しており、「オンライン形式」の視聴回数は減少した。

11月後半時点でインターンシップ等には平均8.7社参加済み

インターンシップ等のプログラムへの参加状況を尋ねたところ、参加経験がある学生はモニター全体の 91.4%。前年、11 月調査としては初めて 9 割を超えたが、今年はさらに上回った。参加社数を見ると、短期間のプログラムへの参加が多く、「1 日以内のプログラム」が平均 7.0 社、「2~4 日間のプログラム」が 2.7 社、「5 日間以上のプログラム」は 1.4 社と、いずれも前年並み。
なお、参加時期は 8 月と 9 月が 8 割前後と高く、夏季開催のプログラムに積極的に参加したことがわかる。

参加した結果、就職したいと思う企業があったかどうかを尋ねたところ、「あった」と回答した学生は 9 割近くに上る(87.0%)。平均参加社数 8.7 社のうち、就職したいと思った企業は 2.6 社。前年と比べると、参加社数は 0.1 社増加したものの、就職したい企業の社数は微減した(0.2 社減)。コメントからは、業務内容に加え、社員の人柄などからも判断している様子がうかがえる。

インターンシップ等のプログラムに参加した企業からの、参加後のフォローの有無を尋ねた。「大抵の企業からあった」という回答が 37.2%。「参加企業の半分くらいからあった」が 45.4%で、合計すると 8 割超が何らかのフォローを受けている。フォローを受けたことで、その企業への志望度が上がった経験を持つ学生は「よくある」(30.0%)、「たまにある」(34.6%)を合わせて 6 割強に上る(64.6%)。

全体の9割近くが今後もインターンシップ等に参加の意向を示す

今後については、「参加したくない」と回答した学生は14.3%にとどまり、大半が参加の意向を示した(85.7%)。中でも、1日以内の短期プログラムへの参加意向が高く、8割に上る(80.8%)。「2~4日間のプログラム」は7割(70.4%)、「5日間以上のプログラム」は4割が参加を希望(39.9%)。
参加したい時期は「12月」(86.0%)が最も多く、僅差で「1月」(83.4%)が続く。「2月(70.6%)も多くの学生が選び、3月の就活スタートまで、継続的に参加していきたいという意向が読み取れる。

さらに、今後の参加方針について尋ねた。業界については、「志望業界のものに絞って参加したい」(計 60.8%)が、「幅広い業界のプログラムに参加したい」(計 39.1%)を大幅に上回る。ただし、「少しでも興味があれば参加したい」(計 54.9%)は、「参加する企業はじっくり選びたい」(計 45.1%)を上回る。また、「できるだけ多くのプログラムに参加したい」という学生も 4 割強と少なくない(計44.3%)。先に見たように、すでに志望業界を定めている学生も多いことから、志望業界の企業を中心としながらも、意欲的に参加したい学生が多いことがうかがえる。

(取材・文/松井さおり)