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思いこみは厳禁!学校の先生に聞いた 寮のホント

規則やプライベートの制限、金銭的負担などについて、寮のある4校の先生にヒアリング。見えてきたのは、人間力を高めつつ、安心・安全に寮生活をおくってもらうための学校側の努力でした。

規則が厳しそう

集団で生活する以上、ルールを守ることは避けられないが、「規律ある生活を送ることで、自活できるようになった」と、成長を実感する声が多数寄せられている。窮屈にも思えるが、「ルールがあることで、結果的に皆が快適に暮らせる」ということも理解しておきたい。

門限は厳守、外泊は限定的に可

規則正しい生活の確立や安全園の配慮から、4校すべてで門限を設定している。高校生が概ね19時~20時。中学生も入寮している学校では、中学生18時20分、高校生19時に定めていた。外泊は、4校すべてで許可。友人宅や私的な旅行のための外泊はどの学校も認めてはいないものの、事前に保護者の承諾が得られれば、実家や身元引受人宅、親類宅などに外泊することができる。

自室へのスマホの持ち込みはOK!

「夜間はスマホを預ける」という学校もあるが、自室へのPCやスマホの持ち込みは全校で認めている(「中1・2は不可」の学校もあり)。ただし、TVや備え付けのゲーム機、楽器など、音の出るものや娯楽性の高い物は多くの学校で持ち込みを禁止。紛失や盗難防止、プライバシー保護の観点から、居室に人を招き入れたり、フロア間を移動する行為を禁止している学校もあった。

プライベートがない

学習習慣の定着や学力向上のために、寮での学習時間を定めてる学校もあり、特に、集団学習室で切磋琢磨させる傾向が強い。プライベートが制限される相部屋は時に煩わしくもあるうが、「寝室を共にすることで一生の友だちができた」という声も数多い。

決まった学習時間は「あり」が多め

「学習時間を定めている」学校は、4校中2校。それぞれ1時間半、3時間の自習時間を毎日規則で定めている。ほか、「高1のみ集団学習室での1時間学習の時間を設けていたが、現在はコロナで休止している」という学校が1校あった。同校では、集団学習室の利用は各自の判断に任せているが、多くの生徒が今も自主的に学習に取り組んでいるという。

ルームメイトは同学年が多い傾向

居室は「2人部屋」が2校、「個室」が1校。「中学生から高校1年生は4人部屋、高校2、3年生は個室」と、学年によって部屋割りを変更している学校もある。ルームメイトは「同学年の生徒」である傾向が強く、今回のアンケートでは、3校が「同質になるのは必ず同学年の生徒」と回答している。なお、1校は「違う学年の生徒と同室になることもある」と回答した。

お金がかかりそう

一般的に寮は学校と近いので、通学費用は浮く傾向にある。また、学習スペースにチューターがいる場合は無料で質問できたり、英検の2次試験対策等を寮内の学習時間に実施していたりと、塾いらずの手厚い学習サポートを受けられる学校も多い。

寮費に入る項目は各学校で異なる

入寮費がかかる3校から算出した平均入寮費は14万円。中には「入寮費ゼロ」の学校もある。今回のアンケートで「寮費とは別に食費がかかる」と回答した学校は2校で、別途かかる朝・夕2色の食費の平均は1日1,355円だった。年間でかかる寮費の中には、食費や電気代、Wi-Fi使用料などがすべて含まれている学校もあるので、内訳までしっかりチェックしておきたい。

初年度にかかる費用平均

入寮費 105,000円
(入寮費なしの学校を除いた平均は 140,000円
寮費(食費込み) 994,250円/年
寮費(食費別) 825,000円/年
食費(朝・夕) 1,355円/日

アンケート協力校(50音順)/関東学院六浦高等学校、国際基督教大学(ICU)高等学校、立命館宇治高等学校、早稲田大学系属 早稲田佐賀中学校・高等学校
取材・文/本誌編集部、松井さおり