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コロナ禍の大学中退理由はオンライン授業のつまらなさ!?(後編)

昨日は株式会社ジェイックが行った中退についてのアンケート調査をご紹介。中退理由は「授業内容に興味が持てなかったから」が1位だった。

本日は調査のもう1問、「新型コロナウイルスがなければ、中退していなかったと思いますか」の回答結果を見てみよう。

中退理由はオンライン授業や留学の中止など

「新型コロナウイルスがなければ、中退していなかった」の回答は、2020は14.1%、2021年は18.7%、2022年は31.9%と、2022年は2021年と比較し、13.2ポイント増加している。中退理由において、「経済的事情・家庭問題」の回答は年々減少傾向にあることから、コロナ禍になり約3年が経過する今、中退に至った理由は、経済的影響以上に、オンライン授業や留学の中止など、学習面での影響が増加していることが考えられる。

ちなみに、現在は多くの大学で対面授業が戻ってきているが、2022年7~12月の調査前に中退した人々を対象に質問しているので、まだまだオンライン授業中心の時期に中退したことになる。来年の調査では、今年とまた違う結果になるかもしれない。

対面授業の復活で中退予防に期待

調査結果について「ジェイック 就職カレッジ® 中退者コース」責任者の小久保友寛(こくぼ・ともひろ)氏は、次のように述べる。

「中退理由において、『授業内容に興味が持てなかったから』という回答は、以前からよく耳にしていましたが、その理由はコロナ禍以降大きく変化しています。コロナ禍前は、『入学前にイメージしていたものと違った』という声が大半を占めていましたが、コロナ禍以降は『動画を見てレポートを提出するといった一方通行の授業が増え、興味が持てなくなった』という声が増加しました。オンライン授業により、大学に通う意義を感じづらくなってしまったことが考えられます。

一方で最近は、対面形式の授業を増やしている大学も多くあり、ある大学からは、『対面形式の授業に戻した結果、出席率が上がった』という声が寄せられています。学生が主体的に学ぶことはもちろんですが、大学・学生間で双方向のコミュニケーションが取れる授業形式にすることや、学生が質問しやすい関係性を築くことは、学生の中退予防につながると考えます」

(取材・文/大友康子)