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2020年中学入試 日能研が考えるBIGニュース 首都圏編

2020年に行われた中学入試。中学受験に詳しい学習塾の日能研に、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)でのBIGニュースを伺いました。 ※各学校名にて「中学校」に該当する単語は省略

帰国生入試の受験者数が増加し、受験対象校も多様化

1位 5年連続で中学受験者数が増加

中学受験者数は9年ぶりに延べ60,000人の大台へ。中学受験率は首都圏の小学校卒業生数296.476人に対し20.2%と昨年を維持した。子ども一人当たりの受験校数も、8.1校(日能研調べ)と増加。インターネット出願の普及による受験の手軽さ、同時に家庭の学校選択の幅や広がりも見ることができた。

2位 上昇志向の強い難関校受験生の増加

東京入試の人気が空前の状況に。地方からの人口流入による子どもの数と中学受験者数の増加が人気につながった。男子御三家(開成・麻布・武蔵)と女子御三家(桜蔭、女子学院、雙葉)は軒並み志願者をアップさせ、開成は1,118名が受験し近年では最高数となった。大学入試改革を目前に早稲田の人気も沸騰。一定の学校に人気が集中し難化する傾向があった。

3位 グローバル系の学校はやや一服感

高難度で高止まりを続けてきたグローバル系の渋谷教育学園渋谷、広尾学園、開智日本橋学園などはやや敬遠が見られた。近年は男女御三家を回避してでも進学者がいる渋谷教育学園幕張、帰国子女が多く英語選択入試も可能な慶應義塾湘南藤沢。これらは女子の安定した人気を保った。

4位 公私の完全中高一貫化が進む

2021年に高校募集を停止する本郷、2022年に停止する豊島岡女子学園はともに安定した人気。昨年から完全中高一貫化をスタートさせた成城は全入試回で受験生が増加。都立の併設型中高一貫校が来年度から高校募集を停止して中学募集を拡大していく中、中高6年一貫教育の“中身”を見せられる学校に注目が集まった。

5位 男子中堅上位校が急激に難化

受験者数増加は男子の中堅上位校に集中。「算数入試」で人気となった巣鴨と世田谷学園、「特選入試」を算数のみに一本化した攻玉社。いずれも昨年の顕著な大学合格実績を背景に、先進的な教育内容が浸透し、旧来のイメージを払拭させた結果と思われる。歴史と伝統を持つ暁星も初の2回入試を実施し難度UP。

6位 女子の午後・算数入試受験が加速

女子は効果的に午後入試で挑むケースが多く見られる。午後受験校で人気だったのは算数入試を新設した田園調布学園や湘南白百合学園。他校の募集人数に影響を与えた。立教大学の推薦枠を拡大した香蘭女学校など、進学許容の学校の合格を早めに取ることで受験を優位に進める女子の堅実さが目立った。

7位 安全志向から中堅私大附属校が人気

大学定員の厳格化による私立の大学附属校の人気は今年も継続。MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)の附属中は昨年までの難化で頭打ち。その分、安全志向から中堅の私大附属校が人気になった。日本大学系は大幅に増加。東洋大学京北や明治学院、昨今の女子大人気から日本女子大学附属が人気に。

8位 帰国生入試の受験者数が増加

洗足学園は英検1級近いレベル感の入試に。東京都市大学等々力の志願者は初の200名台突破。海外研修プログラムの充実が浸透した昭和女子大学附属昭和、日本とカナダ両方の高校卒業資格を取得できるダブルディプロマを行う文化学園大学杉並など学校選択のダイバーシティ化も加速。

9位 女子校の入試が多様化

入試方法の多様化は女子校が活発。10パターンの試験から選ぶ山脇学園、英語を介した共立女子のインタラクティブ入試など、答えよりもプロセスを重視する試験の評価が高い。女子は教育の中身を重視する傾向が強いこともあり、より時間をかけて大学を選んでいく高大連携の動きも多く女子校で見られる。

10位 埼玉入試では地元の進学率上昇

埼玉県の中学受験率は18.2%と昨年までに比べて大きく上昇。首都圏最大の11,857人の志願者を集めた栄東、大学合格実績が伸びている学校代表の大宮開成の受験者増加は話題となった。埼玉県の入試解禁日となる1月10日は首都圏入試の開始日であり、受験者の中には東京、神奈川、千葉からの児童も多数見られた。