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暴力行為やいじめ、小学校で増加目立つ。いじめは過去最多

小学生の暴力行為件数、4年前と比べて3倍以上に

文部科学省が「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を実施。これは、児童生徒の問題行動や不登校などについて、今後の生徒指導施策推進の参考とするために文部科学省が毎年行っているもので、国公私立小・中・高等学校などを対象に行った「暴力行為」や「いじめ」、「不登校」、「自殺」などに関する調査結果を公表している。

これによると、小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は72,940件(前年度63,325件)で、児童・生徒1000人当たりの発生件数は5.5件(前年度48件)であることが明らかとなった。内訳は小学校36,536件(前年度28,315件)、中学校は29,320件(前年度28,702件)、高等学校7,084件(前年度6,308件)。特に小学校での増加が目立っていて、4年前と比べると、実に3倍以上になっている。暴力行為の内容としては、「生徒間暴力」が51,128件(前年度42,605件)が最も高かった。

いじめは過去最多543,933件。こちらも小学校がトップ

また、小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知(発生)件数は543,933件で、前年度から12万9,555件も増加。1985年度の調査開始以来、過去最多を更新した。なお、児童生徒1000人当たりの認知件数は40.9件(前年度30.9件)だった、

学校別の最多は小学校の42万5,844件(前年度31万7,121件)。これは全体の8割近くにあたり、特に小学校の低学年で多い傾向にある。

■いじめの認知件数の学年別・男女別内訳

【小学校】

1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生
76,860 82,310 80,747 73,894 63,369 48,664 425,844
(男子) 43,369 45,481 44,906 41,350 35,794 27,419 238,319
(女子) 33,491 36,829 35,841 32,544 27,575 21,245 187,525

いじめの様態では「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が62.7%と最多で、以下「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする」21.4%、「仲間はずれ、集団による無視をされる」13.6%と続く。なお、パソコンや携帯電話等を使ったいじめは16,334件で、全体の3.0%を占めた。

なおいじめの発見のきっかけは、「アンケート調査など、学校の取り組みにより発見」が52.8%、「本人からの訴え」が18.3%、「学級担任が発見」が10.6%となっている。

(取材・文/松井さおり)