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WEBアンケート|帰国子女の保護者713人の本音⑥ ~楽しさ、面白さを感じること~

渡航前と帰国後では、同じ日本でも全く違って見えると聞きます。では帰国後、何に喜び、怒り、悲しみ、苦労しているのか。海外駐在を経て日本に帰ってきた保護者の皆さんに本音を明かしてもらいました。

今回は、「帰国後に楽しさや面白さを感じること」についての回答をランキング形式で見ていきます。

【アンケート概要】

有効回答数 713人(女性=592人、男性=103人、性別回答なし=18人)
対象者 海外赴任の経験か海外赴任同行の経験があり、帰国子女の保護者にあたる方
調査期間・方法 2020年10~12月、WEBアンケート

【ランキングの選択肢とした項目】

◆食生活 ◆居住環境 ◆ファッション ◆収入や貯金 ◆子どもの学校生活 ◆子どもの習い事 ◆子育て環境 ◆親子関係 ◆夫婦関係 ◆自身の親との関係 ◆自身の友人との関係 ◆ママ友・ご近所づきあい ◆自身の仕事、働き方 ◆自身の仕事での人間関係 ◆余暇 ◆医療 ◆その他

楽しさ、面白さを感じることランキング

1位 ファッション 209人(29.4%)

オシャレや美容が簡単に楽しめる

  • ファッションで春夏秋冬を満喫することができる。C・Hさん(ベトナム2~3年、女性)
  • 流行に敏感な人が多いので、オシャレのしがいがある。K・Nさん(オーストラリア&シンガポール3~4年、女性)
  • 何でもない日に着物を着られる。E・Oさん(中国7~8年、女性)
  • サイズはやはり、日本のほうが合う。Y・Kさん(アメリカ7~8年、男性)
  • 背が低い私。帰国後は、自分用に「子ども服」を買わなくてよくなった!R・Sさん(ベルギー2~3年、女性)
  • 服装に宗教的なしばりがない。E・Mさん(ヨルダン&カナダ6~7年、女性)
  • 美容院、ネイルサロン、まつげサロンの技術レベルが高いのに値段が安く、簡単に自分をキレイに保てる。Y・Sさん(カナダ2~3年、女性)

2位 余暇 187人(26.3%)

身近にある日本ならではの楽しみを満喫

  • 帰国後は心に余裕ができ、趣味だった吹奏楽の活動を再スタートできた。K・Tさん(ベトナム8~9年、女性)
  • 日本の伝統的な習い事ができる。稽古日は「母親」から「自分」に戻れて幸せ。Y・Iさん(中国7~8年、女性)
  • 自分の生まれ育った国、慣れ親しんだ町の文化を、子どもに見せたり体験させられたりすることが嬉しく楽しい。Y・Kさん(イタリア10年以上、女性)
  • 交通機関の利用が容易。旅行もラク。Mさん(インドネシア1~2年、女性)
  • 自転車でサッと好きな場所に行ける。C・Nさん(中国10年以上、男性)
  • 温泉やスーパー銭湯が最高。Y・Tさん(アメリカほか2カ国8~9年、女性)
  • 好きなアーティストのライブに行ける。ミーハーな自分に戻れた。A・Tさん(チェコ&中国4~5年、女性

3位 自身の仕事、働き方 176人(24.7%)

仕事で得る充実感は、何ものにも代えがたい

  • 家庭以外に居場所があるありがたさ。Y・Wさん(アメリカ3~4年、女性)
  • 子どもと関わる大好きな仕事に復帰!M・Oさん(アメリカ6~7年、女性)
  • 海外では現地法人の最高責任者だった。帰国後は一管理職なので精神的にラク。T・Iさん(スイス10年以上、男性)
  • 仕事帰り、同期と飲みに行ける。S・Hさん(イギリス3~4年、男性)
  • 自分でお金を稼いでいるので、好きなことへの支出に関して気兼ねがない。海外ではいちいち夫にお伺いをたてなければならず、窮屈だった。M・Sさん(シンガポール3~4年、女性)
  • 海外経験が功を奏し、渡航前より幅広い内容の仕事ができている。Wさん(インド&南ア6~7年、女性)
  • 仕事を通じ多くの人と出会える。Y・Eさん(ニカラグア10年以上、女性)

4位 自身の友人との関係 141人(19.8%)

  • 長年の付き合いのある親友が、いつでも会える距離にいるのは精神的に心強い。U・Uさん(アメリカ1~2年、女性)
  • 忘年会に出席できる。F・Mさん(アメリカ3~4年、男性)

5位 子どもの学校生活 136人(19.1%)

  • 新しい学校には似た環境で育った子が大勢。帰宅した子どもが嬉しそうに話す学校での出来事や友だちとのエピソードを聞くのは、大変楽しい。I・Oさん(アメリカ10年以上、女性)

 

6位  居住環境 120人(16.9%)
7位  ママ友、ご近所づきあい 81人(11.4%)
8位  自身の親との関係 79人(11.1%)
9位  親子関係 70人(9.8%)
10位 子どもの習い事 52人(7.3%)

6~10位からの抜粋&その他

  • 苦手な車の運転からの解放
  • 車ではなく電車移動だから夫婦で飲める
  • 野球観戦など娯楽が多い
  • 習い事が本格的で力がつく
  • 検閲がなく検索に制限なし
  • 大阪のおばちゃんが楽しい

など

~1位の「ファッション」について~ 気持ちや行動まで変えるファッションの力

ファッションが『喜』の1位に選ばれたことについて、ファッションディレクターの遠藤友香氏は2つの理由を挙げる。

「まず1つめは、四季やTPOへの意識が海外と比べて強いことです。いつも決まったファッションだと気持ちまでマンネリ化し、モチベーションが高まらなくなる傾向がありますが、日本では『季節に応じたファッション』『時と所と場合に応じたファッション』に否が応でも挑戦することになります。これが結果的にファッションを楽しめる土台となっているのです」(遠藤氏)

そして2つめの理由は、「日本ではサイズの合う服を手に入れやすいこと」だという。

「欧米などの平均身長の高い地域から帰国すると、華奢なサイズを多く取り揃える日本の洋服売り場に感動するでしょう。かつては私もそうでした。海外ではサイズの都合で選択肢が限られていても、日本では多くの選択肢から好みの服を探してまとう喜びを得られます。この喜びが『ファッションって楽しい!』の源になるのではないでしょうか。ファッションを楽しめると気持ちが明るくなり、行動力まで高まります。一時帰国での買い物などを利用して、ぜひ海外でも、心を前向きにさせてくれるファッションを味方につけてくださいね」(遠藤氏)

「ファッション」についてお話を伺った方

遠藤 友香氏

ファッションディレクター
遠藤 友香(えんどう ゆか)氏

イタリアのミラノにてスタイリング修士課程修了後、グローバルな視点で最新のファッショントレンドを分析・発信。普段着として楽しんだり着回しができたりするリアル・クローズの提案も行っている。

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