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不登校でも出席扱いになる制度がある!(後編)

ICT教材等による学習により出席扱いに

昨日株式会社すららネットが行った「不登校生徒の出席扱い保護者向けセミナー」の中から人一倍敏感で不登校にも結び付きやすい気質の子ども「HSC」について取り上げた。本日は不登校での「出席扱い制度」利用のポイントについて見てみよう。

まず、「出席扱い制度とは?」について詳しくは文部科学省サイト内のページ「不登校への対応について」をご参照いただきたいが、平たく言えば、フリースクールなど学校外の教育機関で指導を受けたり、ITや郵送、FAXなどの通信方法を活用した学習活動を行うことにより、出席扱いが認められること。

セミナーで解説されたのは、「ICT教材等による学習での出席扱い」。フリースクールなどの学校外の教育機関での学習は義務教育ではない高校生も含むが、ICT教材等での学習で出席扱いが認められる対象は小学生から中学生まで。そして、利用が認められる条件は下記の7つ。

不登校でも出席扱いになる7つの条件

  1. 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係があること
  2. ITや郵送、FAXなどの通信方法を活用した学習活動であること
  3. 訪問等による対面の指導が適切に行われること
  4. 学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
  5. 校長が対面指導や学習活動の状況を十分に把握していること
  6. 学校外の公的機関や民間施設等で相談・指導を受けられない場合に行う学習活動であること
  7. 学習活動の評価は、計画や内容を学校の教育課程に照らし判断すること

それぞれ詳しくは、セミナーのスライドをご参照いただこう。

出席扱いの要件(7項目)

認知度低く、行動に移せない保護者も

不登校児童生徒にとっては非常に救いとなる制度のようにも思われるが、この制度の認知度はまだまだ低い。セミナーに参加した299名は不登校の小中学生を持つ保護者だが、それでも事前アンケートで「このような制度があることを知らない」と答えた人が約33.2%を占めた。

また知ってはいても、「何も動いていない」という人が一番多く、46.6%だった。「知ってはいても、何も動いていない」のは、「どのように行動してよいかわからない」57.7%からだとう。

制度利用に長けた教材会社のサポートを利用

そこで、当セミナーでは出席扱い制度を利用するためのアクションとして、下記の4ステップを伝授。

もちろん、「ITや郵送、FAXなどの通信方法を活用した学習活動」であれば、すららネットが提供する学習教材「すらら」でなくともよいのだが、すららネットはこの制度への対応にも力を入れており、状況によりすららネットの担当者が学校側と直接やり取りするなどきめ細かな支援を行っており、制度利用が認められる率が高いという。

具体的なアクションと流れ

STEP1
まずは担任の先生への相談
保護者の方から担任の先生へ「学校復帰も視野に入れて出席扱いとしてほしい」ことをご相談下さい。但し、先生は出席扱いのことを知らないこともあるため、その際は文科省の思慮や「すらら」の資料を持参し、説明をしてあげてください。
STEP2
出席扱い要件を満たしているか確認
担任の先生、教頭先生、校長先生で相談されると思いますので、回答を待ちましょう。保護者の方へ質問がある場合、答えられないことがあれば「すらら」がサポートいたします。
STEP3
1日の出席扱いルール作り
使用する学習教材、出席扱いのルール、学習設計内容、学習履歴の提出方法について取り決めを行います。他校の事例など、必要に応じてすらら側から学校へお伝えすることもしておりますので、お気軽にお問合せください。
STEP4
出席扱いスタート
ルールが決まればスタートです。学習設計についてはすららコーチにご相談ください。

自己肯定間も高まる「出席扱い制度」

この制度について、株式会社すららネット「子どもの発達支援室」室長・佐々木章太(ささき・しょうた)氏は次のように述べる。

「すららネットの子どもの発達支援室がサポートしていることの一つである、『不登校の出席扱い』は、2005 年に文部科学省が開始した制度です。対象は小中学生で、自宅学習を認めることで投稿に対する意欲を促し、中学生については内申点対策にもなることがメリットとして提示されています。出席扱い制度は、成績や進学に有用なこともそうですが、子どもが自宅で勉強したその“頑張りが認められる” ことが重要だと思っています。なぜなら、それが自己肯定感を高めることだからです。当社は、ICT で新しい学習体験を届ける事業活動を通じ、学習者に『大人なっても役に立つ真の学力』と『努力をすれば結果が出るという自信』を提供し続けることをミッションとしています。出席扱い制度において我々は家庭と学校の橋渡し役だと考えています」

(取材・文/大友康子)