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帰国後、私立・国立付属小学校に編入させるには?~第一回~

現在、海外に住んでいて小学生の子どもをもつ保護者の中には、帰国後、公立の小学校ではなく、私立や国立大学付属の小学校に通わせたいと考える人もいるだろう。

だが、小学校の「入学試験(小学1年次入学)」では中学校でのそれと比べ、“帰国生枠”を設けている学校は非常に少ない。さらには、子どもがその対象年齢の時に、帰国できるとも限らないだろう。では、小学校6年間のいずれかの学年で入学する「編入試験」はどうなのだろうか?

海外・帰国子女教育専門機関JOBAを運営する株式会社アイウェア取締役の佐藤光洋氏にお話を伺った。

募集人数は若干名または欠員数。帰国生の私立・国立付属小編入は狭き門

「私立小、国立付属小への帰国生の編入学は、入学同様に非常に狭き門といえます。

小学校では、帰国生を対象に、入学試験や編入試験を実施するところが非常に少ないという現状があります。特に1年次入学の入学試験は、帰国生の受け入れを実施している学校であっても、帰国生としての考慮をせず、一般入試と同じ扱いをする学校も多いので、日本で小学校受験に特化した塾に通えるお子さんのほうが有利になるというのが実情です。

また、帰国生を受け入れる小学校は、関東なら東京や神奈川など、関西なら大阪、京都、兵庫と大都市圏に集中しています。小学生のお子さんが通学できる範囲であるかどうかを考慮すると、選択肢は限られてきます」(佐藤氏)

どうやら帰国生にとって、私立や国立大学付属の小学校に入学・編入学させることは険しい道であるらしい。だが、子どもを通わせたいと思う学校があるという保護者もいるだろう。狭き門ではあるものの、どうすれは通うことができるのだろうか?今回は編入試験に絞り、私立小学校、国立大学付属小学校の2つに分けて、紹介する。

私立小学校

私立の小学校の教育方針やカリキュラムは学校によって異なり、学校独自の先進的な教育を実践する学校も多い。少数ではあるが英語のイマージョン教育を実施したり、国際コースを設けている小学校は、帰国生の編入を受け入れる傾向にあるようだ。

帰国生の編入試験を実施する私立小学校の応募条件をみると、対象学年は、全学年を対象とした学校と、1~5年生と規定する学校が多かった。募集人員はいずれも「若干名」あるいは「欠員数」とする学校がほとんどだ。

編入試験の実施時期についてもまちまちで、随時行っている学校もあれば、年に1~数回程度、月を決めて実施する学校、「欠員がある場合、2月に募集」などと限定的に行っている学校もある。

編入試験で帰国生を受け入れている私立小学校の例(過年度)

ぐんま国際アカデミー初等部(群馬県太田市)
対象学年 欠員がある学年
募集人数
募集年度 2018年度
浦和ルーテル学院小学校(埼玉県さいたま市)
対象学年 1~6年生
募集人数 若干名
募集年度 2018年度
暁星国際小学校(千葉県木更津市)
対象学年 1~6年生
募集人数 若干名
募集年度 2018年度
成蹊小学校・国際学級(東京都武蔵野市)
対象学年 4年生
募集人数 16名(3月) 若干名(9月)
募集年度 2018年度
むさしの学園小学校(東京都府中市)
対象学年 1~6年生
募集人数 若干名
募集年度 2018年度
洗足学園小学校(神奈川県川崎市)
対象学年 欠員がある学年
募集人数 欠員数
募集年度 2018年度
加藤学園暁秀初等学校(静岡県沼津市)
対象学年 1~5年生
募集人数 欠員がある場合募集。人数は定めす
募集年度 2018年度
ノートルダム学院小学校(京都府京都市)
対象学年 1~6年生
募集人数
募集年度 2018年度

※海外・帰国子女のための受験資料集「Biblos(ビブロス)」(JOBA発行)より抜粋。上記は2018年度の募集であり、2019年度以降は、変更する可能性があります。詳しくは、学校ホームページなどをご参照ください。

国立大学付属小学校

大学付属校とはいえ、教育の特徴は、“私立大学”の付属小学校と大きく異なる点がある。それは、国立大学の教育・研究の実験校であり、教育実習の場という役割を担っていること。そのため、「教育学部」の付属小学校である学校も多い。

例えば、千葉大学教育学部附属小学校のホームページをみると、学校の教育の使命として、「教育理論の実践的・実証的研究」、「教育実習生の指導的機関」、「地域の教育研究への貢献」、「海外帰国児童教育の実践と研究」の四つを掲げている。他の国立付属の小学校もほぼ同様で、教員は、授業を行いながら、自分の専門教科についての指導法や教材開発などの研究を進め、教育実習生の指導も行う。

帰国生の編入試験については、絶対数が少ないこともあり、実施校は非常に少ない。編入試験を実施する場合、対象学年は「小3あるいは小4以上」、募集人員は、私立と同様に「若干名」という学校が多数を占める。一方で、少数派ではあるものの特定の学年(例えば“4年生のみ”など)10数名を募集し、その他の学年は若干名とする学校もある。

応募資格は学校によって異なるが、なかには、海外での最終在籍校が全日制の日本人学校である場合は「対象外」と明記する小学校もある。また、多くの小学校が応募要件として、児童の居住地を小学校がある周辺の市町村(地域)、あるいは「通学時間が何分までの地域」と限定している。

編入試験で帰国生を受け入れている国立大学付属小学校の例

千葉大学教育学部附属小学校(千葉県千葉市)
対象学年 4~6年生
募集人数 4年生:15名、5・6年生:若干名
募集年度 2019年度予定
東京学芸大学附属大泉小学校・国際学級(東京都練馬区)
対象学年 3~6年生
募集人数 若干名
募集年度 2019年度予定

帰国生の編入試験は、国語・算数・面接が必須。英語力を問われないケースも

帰国生を対象とした編入試験では、国語・算数の筆記試験と面接を課す学校が多数を占める。面接は「児童・保護者」または「親子面接」と規定するところも多いが、保護者のみの学校もある。

英語イマージョンクラス、国際クラスなどを設置する小学校では、英語の筆記試験やネイティブスピーカーによる英語インタビューを実施するなど、英語力をみる傾向にあるようだ。しかし、これは少数派で、帰国生であっても、英語の試験を課さない学校がほとんどだ。

「中学受験であれば、過去の試験問題が公開されるなど、多くの情報がありますが、小学校の編入試験に関しては情報がほとんどないため、試験対策を立てるのは簡単ではありません。事前に、試験内容などを学校に問い合わせてみることもできますが、公平性を期すために、まったく公開していないという学校もあれば、比較的丁寧に説明してくれる学校もあり、対応はさまざまです。

試験科目のなかでも国語は、現地校やインターナショナルスクールに通っていたお子さんにとって大きな壁となります。なかには、日本語の作文を課す学校もあるので、応募要項などでよく確かめてみる必要があります。

いずれにしても、帰国生の受け入れ状況や、編入試験の実施時期など、学校側に直接、コンタクトをとり、問いあわせることは不可欠でしょう」(佐藤氏)

次回は、私立・国立大学付属小編入を希望する場合の留意点と編入に向けて準備すべきことについてレポートする。

*付属/附属の表記について:学校名は各学校の表記とし、本文は「付属」で統一しています。

(取材・文/橘晶子)

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