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国際芸術祭「東京ビエンナーレ 2020/2021」(1) オンラインでの楽しみ方

東京のまちを舞台にした国際芸術祭が開幕中

東京都心、主に千代田区、中央区、文京区、台東区を舞台に2年に1度行われる国際芸術祭「東京ビエンナーレ 2020/2021」が7月10日より開幕した。会期は9月5日まで。当初は2020年の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により延期、1年越しの開催にこぎつけた。(トップ画像は、東京ビエンナーレ2020/2021 ロゴ)

テーマは「見慣れる景色へ-純粋×切実×逸脱」。世界中から幅広いジャンルのアーティストの表現が東京に集結し、まちに深く入り込みながら、地域住民と共につくりあげていく芸術祭だ。また、同ロジェクトは「アート×コミュニティ×産業」をキーワードに、「HISTORY & FUTURE(歴史と未来)」「EDUCATION(教育)」「WELL-BEING(幸福感)」「RESILIENCY(回復力)」を活動コンセプトとしており、教育という観点からも注目のイベントといえる。

『感覚の洗濯』2020 海老原商店
西尾美也『感覚の洗濯』2020 海老原商店

海外アーティストの生の声を聞けるシンポジウムも

展示会場は美術館やギャラリーではなく、主に屋外の公共空間や空店舗、社寺空間、ビルの一角などで、鑑賞者は会場を自由にめぐって作品を楽しむ。本来であれば東京のまちに繰り出して体感したいイベントだが、海外在住などで実際に訪れることが難しい人も多いだろう。そこで、オンライン上でも楽しめる見どころなどを、「東京ビエンナーレ2020/2021」プロジェクトプロデューサーを務める建築家の中西忍(なかにし・しのぶ)氏に聞いた。

「海外の方にもおすすめなのは、オンラインで行う国際シンポジウム『LIVE RELATIONS! vol.01』です。7月17日と18日の2日間に渡って、YouTubeにてライブ配信を行います。初日は、コロナ禍で残念ながら来日できなかった海外アーティストたちとオンラインでつないで、この状況の中でどのような作品を作ったのか、また、どのような気持ちで参加しているのかなどを議論します。日英の通訳が入りますが、海外在住の方であれば英語がわかると思いますので、アーティストのメッセージをより理解しやすいのではないでしょうか。アートに興味がある高校生などにもぜひ聞いていただきたいですね。また、2日目は、社会学などの学者の方々が、国際芸術祭の在り方や市民とアートの関係、本芸術祭がどのように機能しているのか、といったことを批評家の目で議論します。こちらは日本語のみの部分もありますが、登壇者によっては英語のこともあります」

『LIVE RELATIONS! vol.01』は、日本時間7月17日(土)に「DAY1」を、7月18日(日)に「DAY2」を開催、共に時間は13:00~22:00、オンライン視聴は事前申し込み不要で無料。後日、アーカイブ視聴も予定している。明日掲載の(2)へ続く。
(取材・文/中山恵子)

イベント概要

「東京ビエンナーレ 2020/2021」
2021年7月10日(土)~9月5日(日)
東京都心、主に千代田区、中央区、文京区、台東区の各所にて開催

公式サイト:https://tb2020.jp/

お話を伺った人

中西忍氏・建築家
「東京ビエンナーレ2020/2021」プロジェクトプロデューサー

1989年より電通勤務。2015年~2021年3月まで日本科学未来館副館長を務める。プロデューサーとして、ハノーバー万博日本館メイン展示(2000年、ハノーバー)、日本科学未来館Geo-Cosmos(2001年、2011年)、ベネッセアートサイト直島VIデザイン(2004年)、「直島ーアートと建築の島嶼群」展(2009年、パリ、ベニス)、ルツェルンフェスティバルアークノヴァ(2013年、松島)等のプロジェクトを担当。 建築活動としては、ジャスパーモリソン東京スタジオ、及び自邸設計、ロンシャン礼拝堂音響研究プロジェクト等。