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「不登校に関する調査」、親子の世代間で大きな違い(前編)

不登校について親・子世代に分けてアンケート

中高生やその保護者などが通信制高校・サポート校を探せる資料請求サイト「Go通信制高校」を運営する株式会社プレマシード(東京都渋谷区)は、「不登校に関する調査」を実施。対象を10~20代の子世代、40~50代の親世代とに分けて調査した。

「不登校」について親世代と子世代、それぞれの状況や意識が分かる調査結果を、今日と明日とで見ていこう。

【「不登校に関するアンケート」調査概要】

調査の方法 インターネット調査
調査機関 株式会社プレマシード
調査の対象 全国の10~29歳の男女300名、40~59歳の男女300名
有効回答数 600名
調査実施日 2023年6月3~5日

「学校に行きたくない」経験、親世代が多い

まずは学校に行きたくないと思った経験について質問。その結果、「経験はない」と回答したのは全世代で約3割にとどまり、約7割が学校に行きたくないと思った経験があることがわかった。その理由は「友人関係のトラブル」や「いじめ・いやがらせ」が多かった。

世代別にみると、学校に行きたくないと思った経験があるのは、親世代74%、子世代67.7%と、親世代のほうが多かった。

子世代は4人に1人、不登校経験あり

実際に不登校の経験(※)があるかどうかを聞くと、全世代で21.2%が「経験がある」と回答。年代で比較をすると、子世代は25%、親世代は17.3%となり、その差は7.7ポイント。

※「病気や経済的な理由によるものを除く」などの定義を設けず聴取。

不登校、子世代は相談しやすい環境

学校に行きたくないと思った経験がある人、不登校の経験がある人にその際の相談相手について聞いた。その結果、「相談相手はいない」と回答した人が全体では54%と過半数を超えたが、子世代では40.4%、親世代では66.4%となり、子世代では相談がしやすい環境になっていると言える。また、「相談相手」についても、親世代に比べ、子世代がすべての項目で上回る結果となった。

また、知りたかった情報を聞くと、「相談できる場所」全体44.1%、「学校に通う以外の選択肢」全体39.7%という結果に。「相談できる場所」は15.6ポイント、「学校に通う以外の選択肢」が6.1ポイント、親世代が多く回答している。

不登校を選択・相談しやすい環境に

「学校に行きたくないと思った経験」は親世代のほうが少し多いにもかかわらず、実際の不登校は子世代のほうが多い。また、学校に行きたくないと思ったり、不登校になった際に、親世代の頃は相談しづらく、対策のための情報も得づらい状態であったが、現在は相談しやすい環境になってきており、対策のための情報も得やすくなってきているようだ。

その点について、調査を行った株式会社プレマシード代表取締役・岩田彰人(いわた・あきひと)氏は次のように語る。

「不登校への理解が深まり、不登校という選択をしやすい環境になった、相談しやすい環境になったということを知れる調査となりました。

子どもから大人へと成長する思春期は、参加するコミュニティーが大きくなり、学校での指導方針も自立を求めるものへと変化していきます。環境や学習面の変化が大きく、自身の成長とのギャップが生じれば、誰でも不登校を経験する可能性があります。

不登校という選択を選ぶことができる、相談しやすい環境に変化していることは、前向きな変化です。より理解を深めていくためには、不登校を解決し、復学や進学、夢を叶えた方の声が広まることが必要なのではないでしょうか」

明日もアンケート結果の続きを見ていこう。

(取材・文/大友康子)